知的財産権侵害の具体例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/04 08:49 UTC 版)
「中国の知的財産権問題」の記事における「知的財産権侵害の具体例」の解説
著作権 北京地下鉄1号線永安里駅の北側には、外国公館が立ち並ぶ地域に隣接して、秀水市場というビルがあり、高級ファッション・ブランドの偽造品を扱う観光スポットとなっている。 年間約150万人が訪れ、そのうち90パーセントが外国人観光客である。本来なら数万円もする高級ブランドの財布でも、ここなら素人目には偽物と判別がつかないような偽物が1000円くらいで買える。 中国の法律に照らしても違法であるはずであるが、そのような観光スポットの存在が公知の事実となっているのみならず、2008年の北京オリンピックの際には、北京市政府はここを、重要な観光スポットとして「特色ある商店街」として指定さえしている。 当局が本気になりさえすれば、ビルを封鎖することもできるはずであるが、そのようなことは行われず、時折形式的な摘発が行われているのみである。 秀水市場のような場所は規模こそ小さいが、北京市内のいたるところにあり、各地方都市にも必ずあるという。 中国の市場には、高級ファッションのみならず、若者や子供向けのファッション、電気製品、パソコン関連品にも偽造品はあふれている。外国映画のDVDなどは、1枚100円から200円程度で売られており、しかも日本での公開よりも早く店頭にならんでいることもある。外国ブランドのみならず、茅台酒のような、中国国内のブランドの偽造品が出回っている。 コンピュータ・ソフトウェア マイクロソフトやアドビシステムズなどのメンバーからなるビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)の調査によれば、中国のPCソフトウェアの違法コピー率はやや低下したが、2009年で79パーセントと、依然として高率で違法コピーが行われていた(参考:日本は21パーセント)。2005年の時点では86パーセントだったので率としては低下しているものの、金額ベースではむしろ増加しているとBSAは指摘している。 家電量販店が、海賊版のMicrosoft Windows XPをインストールして販売したパーソナルコンピュータを購入した北京市民が、コピー品のWindows XPのせいで購入したパソコンが壊れたとして、海賊版をインストールして販売した量販店と、パソコン本体に正規品を付属させなかったマイクロソフトを訴えることも起きている。 商標権 大手ファッションブランドを始め、電子機器やバイクなど工業製品、ソフトウェアなどの商標を不正に使用した模倣品や海賊版が多数製造され、一般店舗に並べられている。 『クレヨンしんちゃん』の絵柄及び中国語名を、中国企業が正規の日本企業よりも早く中国で商標登録したために、2004年6月に正規の日本企業の商品が上海市で撤去されるという事件が起きた。
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