知的財産権保護のための国内法整備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/04 08:49 UTC 版)
「中国の知的財産権問題」の記事における「知的財産権保護のための国内法整備」の解説
著作権 著作権法に続いて、著作権法実施条例(2002年8月2日公布、同年9月15日施行)、コンピューターソフト保護条例などが相次いで制定され、著作権の法的保護が強化されることになった。保護される著作物の対象には、文学作品、口述の作品、音楽・演劇・曲芸・舞踏・サーカス芸術作品、美術・建築作品、撮影作品、映画など映像作品、工事・製造物設計図、地図・説明図、コンピューターソフト、法律・行政法規が定めるその他の作品が含まれる。 特許権 改革開放期に入るまでの中華人民共和国においては発明、発見、合理化建議に褒賞を与える法令(例えば、1963年11月3日公布・施行の発明奨励条例など)があっただけで、特許権として保護する規定はなかった。1980年以降、国務院に特許局(現知識財産権局)が創設され、本「中華人民共和国専利法」と同法施行規則が2001年6月15日に公布され、翌2002年2月1日に施行された。2008年には、中華人民共和国の世界貿易機関加盟に伴う法整備の一環として、本法の改正が行われた。 とりわけTRIPS修正協議書の内容を反映させること、創造性と新規性を発揚させること、および特許権保護を強化することが改正の主な目的である。具体的には、まず発明・実用新案および意匠の定義を具体化・明確化した(第2条)。次に、「出願前に国内外で知られている技術」でないことを明記して絶対的新規性を採用し(第22条)、これに関連して「公知技術の抗弁」が採用された(第62条)。さらに、特許権保護の強化を目的として特許権者が侵害行為の差止に要した合理的費用(調査費、弁護士費用など)を損害賠償算定に際して斟酌することとし、あわせて賠償額の上限を、改正前の50万元から100万元に引き上げた(第65条)。その他にも、これまで中華人民共和国民事訴訟法や司法解釈に散在していた提訴前仮処分の規定を一本化するとともに(第66条)、提訴前証拠保全手続を新たに設け(第67条)、特許強制実施許諾に関する規定も大幅に改正された(第48条から第57条)。
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