相互運用性と国際的ローミング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/20 13:29 UTC 版)
「Universal Mobile Telecommunications System」の記事における「相互運用性と国際的ローミング」の解説
UMTSの携帯端末(およびデータカード)は高い相互運用性を持っており、(プロバイダ間でローミング契約が結ばれていれば)他のUMTSネットワーク上でのローミングが容易に行えるように設計されている。さらにUMTS携帯端末はUMTS/GSMのデュアルモードであることが多く、UMTSのサービス地域外であっても透過的にGSMにハンドオフすることで通話を続行できる場合もある。ただし、ローミング料金は通常の通話料金よりもかなり高額である。 UMTSネットワークを運用する通信業者にとって、透過的かつ国際的なローミングは重要な問題である。高い相互運用性を可能にするため、UMTSの携帯端末はいくつかの周波数帯をサポートし、同時にGSMもサポートしていることが多い。国が違えばUMTSの周波数帯が異なる。ヨーロッパでは2100MHzだが、アメリカでは850MHzと1900MHzを使っている通信業者が多い。Tモバイルはアメリカで1700MHz(上り)/2100MHz(下り)でネットワークを運用している。携帯端末とネットワークが共通の周波数をサポートしていないと通信できない。周波数帯が異なっていたため、初期のアメリカ国内向けのUMTS携帯は海外では使えず、逆も同様だった。今では、全世界で11種類の周波数の組合せがUMTSで使われている。 UMTS携帯電話はGSMのSIMカードに基づくUSIMカードを使うが、GSMのSIMカードでも(UMTSサービスを含めて)動作する。これは認証の世界標準であり、ネットワークは携帯電話内の(U)SIMを識別し認証することができる。ネットワーク間のローミングでは入れ替えることで通話を可能にし、そのユーザーが利用可能なサービスの範囲と価格を決定する。ユーザーの加入者情報と認証情報に加えて、(U)SIMは電話帳のためのストレージ領域を提供する。携帯電話上のデータは別のメモリに格納することもできるし、(U)SIMカードに格納することもできる(ただし電話帳の格納に限られている場合が多い)。(U)SIMを別のUMTSまたはGSM方式の携帯電話に移すことができ、そうすることで電話番号などの携帯電話固有の情報がそちらの携帯電話に移されることになる。 日本ではいち早く3Gテクノロジーが採用されたが、それ以前はGSM方式ではなかったため、携帯電話にGSMとの互換機能を組み込む必要がなく、他国に比べると当初から小型軽量の3G携帯電話を実現していた。2002年にNTTドコモが始めたFOMAは、世界初のUMTS仕様(完成前)に準拠した3Gネットワークだった。当初、細部でUMTS規格と非互換な部分もあったが、USIMカードを使っており、USIMカードによるローミングが可能だった(海外旅行の際にUSIMカードをUMTSまたはGSM携帯に入れ替えて利用可能)。NTTドコモもソフトバンクモバイル(2002年12月に3Gを開始)も今ではUMTS規格によるネットワークを運営している。
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