染色体相互転座
相互転座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 15:25 UTC 版)
相互転座は通常は非相同染色体間で起こる物質交換であり、およそ491出生に1人の割合で生じている。出生前診断によって検出される場合があるが、こうした転座は通常無害である。しかし、均衡型相互転座の保因者は不均衡型転座を有する配偶子を形成するリスクが高く、不妊、流産、異常を持つ子の出産へつながる可能性が高くなる。転座を有する可能性のある家族には遺伝カウンセリングや遺伝子診断が行われることが多い。平衡型転座の保因者の大部分は健康でいかなる症状もみられない。 配偶子形成の際に減数分裂のエラーのために生じる染色体転座と、体細胞の細胞分裂の際に有糸分裂のエラーによって生じる転座を区別することは重要である。前者は子孫の全ての細胞での染色体異常につながる。一方で体細胞での転座は、慢性骨髄性白血病におけるフィラデルフィア染色体のように、特定の細胞系統のみで影響が生じる。
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