発生機構の解明とは? わかりやすく解説

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発生機構の解明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 09:38 UTC 版)

発生生物学」の記事における「発生機構の解明」の解説

18世紀まで生物の体はあらかじめ完全な形で形成されているという前成説が有力であった顕微鏡作成したレーウェンフック様々な動物の精子観察し精子中には完全な形をしたホムンクルス入れ子になっているという前成説支持した。これに対してヴォルフ1759年ニワトリ卵にいて器官原基小さ球体として生じ詳細説明して最初から器官の形が存在する訳ではないことを明確に述べた。これが後成説の成立見なされるその後19世紀には後成説がほぼ認められるようになった実質的なこの分野での発展は、ヴィルヘルム・ルーによる実験発生学によって始まる。ルー発生の各段階の胚にさまざまな刺激与え、それによる胚発生変わり方を見ることで、発生機構解明しようとした。たとえば、彼の実験有名なものに、カエルの卵の二細胞期に片方割球細胞のこと)を加熱した針で殺す、というものがある。その結果残り割球発生続け半分の形の胚ができた。このことから、彼は第一卵割時に胚の左右分化起きると結論づけている。この実験は、割球取り除くと完全な胚が生じるため、この結論正しくないが、このような方法発生の仕組み迫ろうしたものである。 なお、彼の研究主としてヴァイスマン生殖細胞連続説に関わりが深い。この説は、遺伝子のようなものが親から子へと生殖細胞通じて伝わるという遺伝の説という側面と、その中に含まれる決定要素卵割によって配分されることで個々細胞分化が決まるとする発生論の側面があり、ルー実験はその当否確かめることを目指した。 彼の弟子であるハンス・シュペーマンは、彼の手法推し進め胚の切断や縛ることによる分断胚の一部交換移植など技法開発しさまざまな実験行ったその中でヒルデ・マンゴルトとの研究通じてイモリ胞胚から原腸胚初期原口の上側(原口背唇部)を他の胚に移植すると、本来の胚が作る頭とは別に移植した組織中心として第二の頭が作られることを発見した。このことから、彼はその組織片が周囲組織働きかけ表皮から神経管作らせる能力があることを見つけた。彼はこの部分形成体けいせいたいオーガナイザー)という名を与え、その働き誘導呼んだその後誘導あちこち組織でも起こっていることがわかり、誘導の連鎖によって動物体作られてゆく仕組みについて詳しい研究なされるようになった。 なお、誘導どのような機構よるものかについての研究は、まず、形成体働きがそこに含まれる物質よるものであることが示され、それがどのような物質であるかを解明する方向努力向けられた。しかしこの時期生体内化学物質への理解、特に分子遺伝学未発達であったために成果上がらずひとまず努力放棄された。 1969年にニューコープが中胚葉誘導発見し、その機構研究始まった

※この「発生機構の解明」の解説は、「発生生物学」の解説の一部です。
「発生機構の解明」を含む「発生生物学」の記事については、「発生生物学」の概要を参照ください。

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