産業等への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 03:08 UTC 版)
発泡した液体は通常より流れ去りにくく、泡自体が汚れを浮かせる働きもある。このため日用品の各種洗剤・洗浄剤や髭そり用シェーヴィングフォームなどに泡入り製品があるほか、泡入りの水も普通の水より洗浄効果が高いため、機械洗浄や工場排水処理といった工業用途にも使われる。 泡の大きさを細かくすることで、実用での使い道はさらに広がる。従来はマイクロバブル、ナノバブルと呼称されてきた。2017年6月、国際標準化機構(ISO)は、直径100㎛未満の泡を「ファインバブル」と総称し、1㎛以上を「マイクロバブル」、それ未満を「ウルトラファインバブル」に分ける規格を決めた。「ウルトラファインバブル」はブラウン運動により、保存方法によっては数年間、泡が浮上せず液体中にとどまることもある。 用途としては前述のような洗浄のほか、水揚げした魚を窒素の泡入り水に入れて鮮度を保持したり、酸素の泡入り水で農作物の食味を良くしたり取り組みが日本では実際に行われている。関連する企業・団体による一般社団法人ファインバブル産業会が設立されている。ファインバブル産業会の推計によれば、ファインバブルの日本国内市場規模は2010年時点で200億円。 このほか一般社団法人 日本マイクロ・ナノバブル学会も活動している。同学会代表理事の大平猛によると、ナノバブルが植物の生育を促す理由は、泡の帯電性が葉緑素の増加を助けるためと考えられ、水中の溶存酸素による効果とは異なる。植物の品種により適切な帯電性、帯電率、濃度が異なるため、学会としてマニュアルの作成を進めている。 古くからある他の用途としては、泡消火薬剤を使う消火器があるほか、発泡スチロールはポリスチレン樹脂を発泡させることにより製造される。
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