生物学上の果実とは? わかりやすく解説

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生物学上の果実

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 20:07 UTC 版)

果実」の記事における「生物学上の果実」の解説

生物学的には、果実とは被子植物の、その中に種子を含む構造のことである。被子植物種子子房の中で成熟するから、子房果実になる部分であり、おおかたすべての被子植物種子果実入っている。果実聞けば肉質食せるものとの印象与えるのは、そのような果実形成する種が少なからずあってそれがヒトにとって重要な食料であったことによるこのような果実は、植物の繁殖戦略として、動物食料になる部分種子周り発達させ、食べられることで動物体内通じて種子の散布をおこなうという目的のために進化したのである考えられるこうした被食用の進化は、被食される対象に応じてそれぞれ進化方向異なり、それに対応した果実実らせるようになっている。たとえば鳥類被食されるために進化したものにおいては樹木の上方に結果し大きさ小型のものが多い鳥類合わせmm程度であり、視覚訴えかけるために目立つ色彩をしている。逆に哺乳類鳥類対し嗅覚強いため、香り強く放つよう進化したものが多い。このほか、目立つ色彩と強い香り併せ持ち鳥類哺乳類双方捕食されすいよう進化した果実存在する人類はこうした果実食料とするため、畑で果菜を、果樹園果樹とその果実である果物栽培するが、これも広義においてはこの流れ中に属すといえる逆にそのような部分持たない場合一般に果実認識されない例も多い。後述痩果は、往々にして種子同一視される裸子植物果実形成しないが、食べられる部分種子のそばに持つものもある。花床やわらかく発達して食べられるうになるイヌマキなどの例がある。 動物側から見ると果実往々にして糖類富み消化のよい食物である。そのため食べ草食動物のような消化難しさはなく、特殊な適応はさほど必要ない。したがって果実食と草食はかなり異なるものと考えた方がよい。果実食をメインとする食性を持つ動物果実動物(果食動物、Frugivore)と呼ばれるが、完全な果実食でなくとも、雑食動物分類される動物多く果実食を行っており、オランウータンのように雑食のうちでも果実食を基本とするものも存在する人類雑食動物であり当然果実食用とするが、菜食主義者中でも最も急進的な一派果実食主義(Fruitarianism、果食主義)を取り果実種子以外のすべてのものを摂取しない。これは、食肉動物を殺すために食用としないとして、卵や乳製品蜂蜜といった動物由来すべての食品取らない点においてヴィーガニズム共通する。しかし果実食主義者は穀物根菜葉野菜といった植物の生存直結する部分、すなわち「植物を殺す」部分食することすら拒否し植物の生存直結しない果実果菜および果物)と種子のみを摂取する点において、より急進的である。ただし本来雑食生物である人類において果実種子のみに食生活を頼ることには無理があり、動物穀物多く含まれているいくつかの必須栄養素必然的に不足することとなる。ちなみに種子植物にとって卵にあたいするため、逆に食用としない菜食主義者もいる。

※この「生物学上の果実」の解説は、「果実」の解説の一部です。
「生物学上の果実」を含む「果実」の記事については、「果実」の概要を参照ください。

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