現在のデザイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 07:06 UTC 版)
「25セント硬貨 (アメリカ合衆国)」の記事における「現在のデザイン」の解説
クラッドメタルという張り合わせ合金で製造されている現在の硬貨には白銅(8.33パーセントのニッケルと銅)が使われ、5.67グラム(0.182トロイオンス)の質量、24.26ミリメートル(0.955インチ)の直径、厚さ1.75ミリメートル(0.069インチ)で造られ、縁にギザギザの溝を持つ。この銅・ニッケル合金で造るクォーター硬貨は1965年に導入され、クラッドメタルという金属をサンドウィッチ状にする製造法や当時の大統領リンドン・ジョンソンに因んで、「ジョンソン・サンドウィッチ」と呼ばれることもあった。1枚の硬貨に対し4.29セントの費用がかかる。1965年以前のクォーター硬貨は、90パーセントの銀と10パーセントの銅の合金により製造され、また、1828年までに製造されていた初期の硬貨は、これらよりもやや大きく薄い硬貨である。 現在、通常の流通用に発行されている25セント硬貨は、表側に合衆国初代大統領のジョージ・ワシントンが描かれた「ワシントン・クォーター」であり、裏側にはハクトウワシの絵が描かれている。このワシントン・クォーターは彫刻家のジョン・フラナガンがデザインした。当初この硬貨は、記念硬貨として発行されていたものだったが、後の1934年に正式に発行される硬貨となった。 1999年、アメリカ合衆国50州記念25セント硬貨プログラムが開始され、一般に出回るクォーター硬貨の裏側にアメリカ合衆国各州のデザインが描かれたほか、表側のワシントンの絵柄にも少々修正が加えられた。このため、裏側にワシの絵が描かれた以前の硬貨が、プログラムの実施期間中は製造が一時中断された。近年合衆国議会はこのクォーター硬貨の他、リンカーン・セント(1セント硬貨)やジェファーソン・ニッケル(5セント硬貨)、サカガウィア・ダラー(1ドル硬貨)のデザイン変更案をアメリカ合衆国財務省に提出しており、クォーター硬貨は50州記念硬貨プログラムの実施期間終了後にそのデザインが変更となる可能性もある。但し、他の硬貨に変更案が出された際も、硬貨に描かれている人物のデザインがそのまま維持された事例もあることから、デザイン修正後もワシントンの肖像は描かれ続けるのではないかという意見もある。 2007年1月23日、アメリカ合衆国下院は、本来の50州記念硬貨プログラムの実施期間を1年延長し、2009年まで行う法案を通過した。これは50州の硬貨に加え、ワシントンD.C.および海外領土である準州・自治領および自由連合州のアメリカ領ヴァージン諸島、プエルトリコ、グアム、アメリカ領サモア、北マリアナ諸島のデザインを裏面に描いたクォーター硬貨を作るという内容であった。この法案は2007年12月に上院承認を経てジョージ・W・ブッシュ大統領が署名した。50州記念硬貨に使用されている文字のフォントは、描かれている州ごとに異なるが、そのほとんどは「Albertus MT」フォントから派生したものが使われている。 2006年6月7日には、「アメリカ・ザ・ビューティフル25セント硬貨法」が下院に提出され、2008年12月にブッシュ大統領が署名し法案が成立。この各州の国立公園がデザインされたアメリカ・ザ・ビューティフル25セント硬貨プログラム(America the Beautiful Quarters® Program)は2010年から開始しており、12年間継続される予定。
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