特許事務所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 19:22 UTC 版)
特許事務所は、弁理士が業として特許、実用新案、意匠、商標など特許庁における手続あるいは経済産業大臣に対する手続を行うための業務を処理するために開設する事務所である。 弁理士法第6章の規定に基づいて特許業務法人の法人格を取得している場合もある。 「特許事務所」も参照 特許事務所の規模は、大きく分けて、1人の弁理士と数人の所員で構成される個人事務所、数人の弁理士と数人~十数人の所員で構成される中堅事務所、数十人の弁理士と数十人~100人以上の所員を抱える大手事務所に大別されるが、同じような職制を取っている。所長弁理士 特許事務所のトップ。個人事務所ではその弁理士、中堅・大手事務所では事務所を創設した弁理士等となる。内部的には複数の弁理士が対等の立場で経営に当たる共同経営事務所でも、対外的には所長は1人である。また、共同経営者が持ち回りで所長となる場合もある。企業の「代表取締役社長」に相当する。 パートナー 特許事務所の共同経営者。中堅・大手事務所において複数名の弁理士が経営に当たる場合に置かれることがある。特許事務所によって異なるが、出願明細書の代理人欄に名前が記載される弁理士は、代表パートナーとしての所長と他のパートナー弁理士であり、出願明細書作成などの実務作業にはあたらない場合が多い。企業の「代表取締役(社長、会長、副社長等)」に相当する。 担当弁理士(勤務弁理士) 所長弁理士あるいはパートナー弁理士の指揮監督下において、出願明細書作成などの実務作業にあたる。弁理士資格のない所員を束ねて仕事にあたる管理職的な役割を持たせている特許事務所もある。このクラスの弁理士は、出願明細書の代理人欄に名前を記載しないところが多いが、逆に責任感を持たせるために所長弁理士とパートナーに加えて名前を入れるところもある。 所員 事務所に所属する上記以外の人材のこと。主業務を行う者と、情報システム、清掃など副業務を行う者とに分かれる。主業務は弁理士資格を持たない事務員で、実務担当者と事務担当者に大別される。大手・中堅の事務所では、さらに、調査担当者、翻訳者、図面トレーサー、情報システム管理者などが置かれる場合も多い。実務担当者には、特許出願用の明細書の作成補助にあたる補助者や、意匠・商標の出願業務の補助者がいる。実務担当者の中には、将来の弁理士を目指して特許事務所に入り、実務を経験しながら試験対策指導を受ける者もいる。一方、事務担当者は、国内外の出願業務に関する特許庁手続、顧客や外国代理人とのコレスポンデンス(Correspondence)、各種の期限管理、経理、人事、総務、秘書などの業務を担当する。
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