特設監視艇とは? わかりやすく解説

特設監視艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 07:08 UTC 版)

特設艦船」の記事における「特設監視艇」の解説

太平洋戦争中洋上哨戒をする監視船が大量に必要になった海軍は、外洋航海可能な漁船等の船舶を「特設監視艇」に指定して徴用した。海軍22戦隊各地根拠地隊所属させた。この特設監視艇は海軍艦艇として軍艦旗掲げ強力な無線機装備して任務あたった北洋から赤道までその活動範囲広範囲及んだが、主にアメリカ海軍艦隊対す早期警戒目的として、日本列島のはるか東方海上東経150 - 160度線を南北沿う海域中心に哨戒していた。戦争後期には、航空機警戒用に北緯30度・東経140度線付近海域への展開も重視された。 武装は、戦争初期小銃のみだった。一説には、目立つ武装避けることで民間漁船偽装する意図があったともいわれ、乗員軍服着用避けられたという。しかし、中期には7.7mm機銃迫撃砲追加され後期には25mm対空機銃や13mm単装機銃さらには電探若干爆雷なども装備されるなど重武装化した。それでも、この程度の武装では、敵航空機潜水艦遭遇してまともに戦うことができるはずがなく、多くの特設監視艇が敵発見無電発しながら撃沈されていった。 これら特設監視艇が命を捨てて発信した発見無電だが、日本海軍キャッチできたとしても、日米戦力差が広がり続けている状況では効果的な迎撃難しいため、せっかく特設監視艇の通報受けて迎撃できなかったこともあった。 戦時下日本の船員たちの悲劇をまとめた書籍日本郵船戦時戦史」の文中には、「まことに弱い運命のもとにおかれた彼らは進んで戦う何ものも与えられておらず、ただ小さな船のなかでじっと死の来るのを待っているばかりであった。(中略)敵に会っても、そのなすがままに死なねばならないことは、軍人上の精神力を必要とした」とある。 太平洋戦争開戦時の特設監視艇数は211であったが、407隻まで拡充され、約300隻が喪失した

※この「特設監視艇」の解説は、「特設艦船」の解説の一部です。
「特設監視艇」を含む「特設艦船」の記事については、「特設艦船」の概要を参照ください。

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