特急「はつかり」と「日光型」準急用気動車
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「国鉄キハ80系気動車」の記事における「特急「はつかり」と「日光型」準急用気動車」の解説
一方1958年10月ダイヤ改正では、それまで特急列車が存在しなかった上野 - 青森間に昼行特急列車1往復を新設した。戦後復興と高度経済成長に伴う東北本線自体の輸送需要の伸びもさることながら、当時は航空機による首都圏 - 北海道間の旅客輸送が確立されておらず、青森以北についても青函連絡船との連携により鉄道による高い輸送需要があったことから特急を新設する素地があり、1949年から運転していた昼行急行「みちのく」を特急「はつかり」に格上げし、同年10月10日から常磐線経由で「みちのく」同様に蒸気機関車牽引の客車列車として運転を開始した。 並行して国鉄は1953年(昭和28年)から総括制御可能な液体式気動車のキハ45000系→キハ10系気動車を量産し、地方路線で無煙化・増発・速度向上・運行経費抑制などの成果をあげていたが、1956年(昭和31年)にはその技術の延長上にキハ44800形→キハ55系準急形気動車を開発した。 キハ55系の最高速度は旅客用蒸気機関車同様95 km/hであったが、1両あたり2基エンジン搭載の強力仕様とされたことで、加速力と登坂力で蒸気機関車列車を完全に凌駕した。煤煙を出さない事に加え、それ以前の気動車の弱点であった客室の居住性も車体の大型化と設備改善である程度の水準に達しており、高速と相まって利用者から好評を博すことになった。これによって、規格の良くない地方の非電化路線でも気動車の投入で高速の優等列車を運転可能なことが立証されたのである。
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