炭素アーク灯とは? わかりやすく解説

炭素アーク灯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:31 UTC 版)

放電灯」の記事における「炭素アーク灯」の解説

炭素アーク灯(カーボンアーク灯、carbon arc lamp)は電極に2本の炭素棒を用いて両極間にアーク生じさせて光るようにした電灯である。弧光灯ともいう。 放電により加熱され白熱し強い光を発する照明用いられる場合は強すぎる光を抑制するため、周囲着色ガラス等で覆う。 炭素棒はアーク発生させる炭素蒸気出しながら消耗していくため始動後は電極消耗に応じて電極間の距離を一定調整する装置要する炭素棒を並行並べることで、距離調整不要とした電気ろうそく(エレクトリック・キャンドル)と呼ばれる形式存在する後述)。 炭素アーク灯は、1808年イギリス化学者ハンフリー・デービー(Humphrey Davy)が実験行ったもので世界最初電灯となったのであるデービー1815年にはボルタ電池2,000個を電源とするアーク灯実験行い強い光を出すことに成功した。しかし、長時間電力供給可能な電源電極間隔改善などの問題がありすぐには実用できなかった。アーク灯最初に実用化されたのは1862年のことでイギリスのダンジネス灯台とされている。 19世紀後半街路灯用い電気照明としてアーク灯もてはやされていた。1878年パリ万国博覧会ではパーヴェル・ヤブロチコフ電気ろうそく注目浴びた。しかし、アーク灯花火のような灯りバチバチという音も伴うもので屋内照明にはまぶしすぎるものだった日本では1878年3月25日に、工部大学校教師英人エアトンが、電信中央局開業祝宴開場同校ホールで、グローブ電池使用してアーク灯点火した1882年に、東京電燈会社設立事務所が、開業前景気に、銀座大倉組前で2000燭光アーク灯点灯し市民驚嘆し徹夜おしかけた歌川重清その様子を「東京銀座通電氣燈建設之圖」という錦絵として描いており、これには「電氣燈ハ米圀人ノ新發ニシテ他ノ火ヲ点スルニ非スシテ一ノエレキ器械ヲ以テ火光ヲ發シ其光明數十町ノ遠キニ達シ恰モ白晝ノ如シ實ニ日月ヲ除クノ外之ト光ヲ同スルモナシ」という解説文が付いている。1883年4月に、海軍省所管横須賀造船所ブラッシュ発電機によってアーク灯点火し作業利用した1884年大阪道頓堀中座で、舞台照明用のアーク灯6基を点じ話題となる。1886年9月20日に、大阪紡績が、夜間作業照明ランプではなくアーク灯利用し、これは民間電灯使用初めである。 アーク灯の光は強烈紫外線多く含み屋内照明には不向きだったため、フィラメント繊維)に大量電気を流すときに白熱して発光する原理利用する白熱電球注目されるようになった

※この「炭素アーク灯」の解説は、「放電灯」の解説の一部です。
「炭素アーク灯」を含む「放電灯」の記事については、「放電灯」の概要を参照ください。

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