炭素を主体とする燃焼における火炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/17 04:20 UTC 版)
「化学発光」の記事における「炭素を主体とする燃焼における火炎」の解説
日常的に目にする機会の多い化学発光に、炭素系の燃料を燃焼させた時に生じる発光現象がある。これは化学反応によって生じた直後のOH、CH、C2といったラジカルが発するものである。またこれらの化学発光とは別に、高温となったすすのような固体から可視域から赤外線域まで幅広い連続スペクトルで放射される黒体放射による輝炎発光も火炎からの光に含まれる。 OHラジカルは、280nmと310nm付近、CHラジカルは、390nmと430nm付近、C2ラジカルは、470nmと510nm、560nm付近に強いバンドスペクトルを持つ光を放つため、OHラジカルを多く含む燃焼では発光色が近紫外になり、CHラジカルやC2ラジカルを多く含む燃焼では発光色が青色や青緑色になる。 水素のラジカルは特定のバンドスペクトルを持たずに無色に近くなる。 OHラジカルそのものは火炎中での寿命が比較的長いが、発光はラジカルの生成直後に起こる。OHラジカルの発生反応は、CHラジカルとO2分子の濃度の積に比例する。OHラジカルは炭化水素が酸素と反応して燃焼する領域で少量が生じるため、反応初期の領域か希薄混合気の領域での発光が多い。OHラジカルの発生反応を以下に示す。 C H + O 2 = O H ∗ + C O {\displaystyle CH+O_{2}=OH*+CO} C 2 + O H = C H ∗ + C O {\displaystyle C_{2}+OH=CH*+CO} C2ラジカルの発光は、炭化水素の反応領域にだけ発生し、その発光強度はOHラジカルやCHラジカルと比べて相対的に、希薄火炎では弱く濃厚火炎では強くなる。
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