瀬戸線への転用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/03 09:51 UTC 版)
「知多鉄道デハ910形電車」の記事における「瀬戸線への転用」の解説
本形式の瀬戸線への転用に際しては、瀬戸線所属の木造電動車であるモ600形(初代)およびモ650形より主要機器を流用して再び制御電動車へ改造された。 本形式は1965年(昭和40年)10月から翌1966年(昭和41年)1月にかけて順次瀬戸線の喜多山検車区へ搬入され、3730系および3770系へ供出する台車などを取り外したのち、種車となる木造電動車より供出された主要機器を再整備の上で搭載した。これにより、本形式は従来のHL車から種車由来の電動カム軸式間接自動進段制御器を搭載するAL車となり、常用制動装置が同じく種車由来のSME三管式非常直通ブレーキとなったほか、瀬戸線在籍の従来車と仕様を統一するため客用扉の手動扉化などが施工された(主要機器の仕様は右表参照)。 竣功に際しては形式称号をモ900形と改め、先行して導入されたク2331 - ク2336は旧番順にモ901 - モ906(いずれも初代)と改番された。 他車に遅れて1966年(昭和41年)2月に転属したク2337についてもモ901 - モ906(いずれも初代)と同様の改造を施工の上、モ907の記号番号付与が予定されていたが、同年3月のダイヤ改正において瀬戸線に特急列車の新設が決定したことを受け、ク2337を含む本形式の一部車両を特急列車用車両として整備することとなった。 そのため、ク2337については制御電動車化改造に加えて、客用扉間の座席の転換クロスシート化、車内照明の蛍光灯化、車内暖房装置および放送装置の新設のほか、車内壁部をニス塗り仕上げから薄緑色のエナメル塗料塗り潰し仕様に改め、客用扉を自動扉仕様のまま存置するなど、接客設備改善工事が実施された。さらに車体塗装を7000系「パノラマカー」と同一のスカーレット1色塗りとし、前面行先種別表示板もパノラマカーと同一形状のいわゆる「逆さ富士形」のものを装着、ミュージックホーンを新設するなど、幹線系統の優等列車用車両と仕様を極力近付ける改良工事が施工された。 上記改造が施工されたク2337は同年2月18日に竣功し、記号番号をモ901(2代)と改め、同一内容の改造が施工されたク2300形(2代)2301と編成を組成した。また同日付でモ901(初代)をモ907と記号番号を改め、車番の重複を回避している。 次いで、モ906・モ905(いずれも初代)の順に、編成を組成したク2300形(初代)2302・2303とともにモ901(2代)と同一内容の改造が施工された。竣功後の同2両は旧番の逆順にモ902・モ903(いずれも2代)と記号番号を改め、同時にモ902・モ903(いずれも初代)を同じく旧番の逆順にモ906・モ905(いずれも2代)と記号番号を改めた。これらの改番は、自動扉・蛍光灯照明仕様の車両を若い番号順に再編する目的で実施されたものであった。 その後1966年(昭和41年)4月までに、モ904は特急予備車として客用扉の自動扉化・車内照明の蛍光灯化のほか車体塗装のスカーレット1色塗り化が、モ905(2代)・モ906(2代)・モ907については客用扉の自動扉化・車内照明の蛍光灯化のみがそれぞれ施工された。 また同年7月には、モ902-ク2302の編成を対象に、前面から側面にかけての窓下幕板部へ200 mm幅の白帯を追加する試験塗装が実施され、のちに特急列車仕様に改装された全車に普及した。
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