演奏会からの引退後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 14:14 UTC 版)
「グレン・グールド」の記事における「演奏会からの引退後」の解説
かねてより、演奏の一回性へ疑問を呈し、演奏者と聴衆の平等な関係に志向して、演奏会からの引退を宣言していたグールドは、1964年3月28日のシカゴ・リサイタル を最後にコンサート活動からは一切手を引いた。これ以降、没年までレコード録音及びラジオ、テレビなどの放送媒体のみを音楽活動の場とする。同年には、トロント大学法学部より、名誉博士号を授与された。 1965年、カナダ北部のチャーチルまで旅行する。1967年、カナダ放送協会(CBC)が、グールドの製作したラジオドキュメンタリー「北の理念(The Idea of North)」を放送する。その後も、「遅れてきた者たち」、「大地の静かな人々」といったラジオドキュメンタリーが放送された。1977年、グールド演奏によるバッハの「平均律」第2巻 前奏曲とフーガ第1番ハ長調の録音が、未知の地球外知的生命体への、人類の文化的傑作として宇宙船ボイジャー1号・2号にゴールデン・レコードとして搭載された。 1981年、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を再録音する。1982年9月27日、脳卒中によりトロント総合病院に緊急入院。この後、容態は急速に悪化。10月4日、父親の判断により延命措置の停止が決断され、同日死亡。遺体はトロントにあるマウント・プレザント墓地(英語版)に埋葬された。墓石にはゴルトベルク変奏曲の一節の楽譜が刻まれている。50歳没。最後のピアノ録音は、リヒャルト・シュトラウス「ピアノ・ソナタOp.5」(録音日時1982年7月2日及び9月1-3日)であり、その後同年9月8日にはリヒャルト・ワーグナーのジークフリート牧歌をトロント交響楽団で指揮・録音しており、グールドはスタジオ録音においてピアノ奏者としてではなく、指揮者として人生を終えている。
※この「演奏会からの引退後」の解説は、「グレン・グールド」の解説の一部です。
「演奏会からの引退後」を含む「グレン・グールド」の記事については、「グレン・グールド」の概要を参照ください。
- 演奏会からの引退後のページへのリンク