滋賀県警の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 17:28 UTC 版)
「河瀬駅前交番警察官射殺事件」の記事における「滋賀県警の対応」の解説
前述の通り被疑者巡査Xは犯行当時19歳少年であるため、少年法第61条の規定により「氏名・容貌を推測させる情報を報道することが禁止されている」という報道がある。しかし少年法によってそのプライバシーが保護されているのは「家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者」であり、被疑段階の少年の実名報道は禁止されていないが、被疑段階であっても実名を捜査機関が公表しないことが実務上は慣例化していた。 「現職警察官が拳銃により凶悪事件を起こした上に凶器の拳銃を持ったまま逃亡した」重大性から、滋賀県警は事件当日の午後11時過ぎに「県民の不安を解消するため」として異例となる被疑者Xの実名公表に踏み切った。 翌12日午前0時半ごろになって滋賀県警は顔写真を提供したほか、直後の広報文でも実名を発表した。 その後、滋賀県警は午前1時55分ごろに身柄確保の広報文を発表した際には匿名発表に切り替えた上で報道機関宛の広報文でも実名報道を控えるように呼び掛けた。 事件を受けて滋賀県警・警察庁の幹部はそれぞれ以下のようにコメントした。 滋賀県警察本部警務部長・武田一志警視正は2018年4月12日朝の記者会見で「警察官が貸与された拳銃を使用して殺人事件を起こしたことは極めて遺憾。職員については捜査状況を踏まえ、厳正に対処する」と陳謝した。 同日、警察庁・栗生俊一長官は記者会見で「事件は極めて遺憾だ。滋賀県警の捜査結果を踏まえ、厳正に対処するとともに、規律高い組織の構築に努めたい」と述べた。 滋賀県警察本部長・鎌田徹郎警視長は2018年4月20日の定例記者会見で、同県警トップとして事件について初めて見解を示し「極めて遺憾。被害者Aやその遺族はもとより、滋賀県民の皆さまに深くおわび申し上げる」、「捜査、調査を進め、結果を踏まえ厳正に対処する」とコメントした。 また、事件発生以降は彦根署・滋賀県警監察官室・警察学校に対し「拳銃は何のために与えられているのか」「税金で働いているのに何をしている」「若手の教育を徹底してほしい」など、抗議などの電話が約640件寄せられた。 なお『京都新聞』(京都新聞社)は2018年5月14日付記事で「滋賀県警によれば被疑者Xは成績・勤務態度に『問題はなかった』とされるが警察学校などで適性を見抜けなかったのだろうか?」などと指摘した上で、翌15日付記事で「警察官とはいえ精神的に未熟さが残る未成年者への拳銃貸与は妥当なのか」などとして問題を提起する記事を掲載した。 2018年7月19日に滋賀県警察本部(大津市打出浜)にて被害者・巡査部長A(警部へ2階級特進)の警察葬を営んだ。
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