深遠なる知識(Profound Knowledge™)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 05:26 UTC 版)
「W・エドワーズ・デミング」の記事における「深遠なる知識(Profound Knowledge™)」の解説
「マネジメントは変化を受け入れなければならない。システムは自分自身を理解できない。変革には外部からの視点が必要である。ここでは、外部の視点について論じる。それを私は深遠なる知識の体系と呼ぶ。それは、組織を理解するための地図を提供する。 「第一段階は、個人の変革である。この変革は断続的である。それは、深遠なる知識の体系を理解することから生じる。変革された個人は、人生/イベント/数値/他人との対話に新たな意味を見出すだろう。 「個人が深遠なる知識の体系を理解したら、彼はその原則を他人とのあらゆる関係に適用する。彼は自ら判断し、彼が属する組織を変革させるだろう。変革された個人は、 例を挙げ 他人の話を良く聞くが、決して妥協せず 人々に常に教え 人々に新たな哲学を植え付ける」 デミングは、経営者は彼が「深遠なる知識の体系」と呼ぶものを持つ必要があるとした。それは、次の4つからなる。 システムの理解(Appreciation of a system)- 供給業者、製造、顧客を含めたプロセス全体を理解する ばらつきに関する知識(Knowledge of variation) - 品質のばらつきの範囲と原因を知るため、統計的標本化技法を利用する 知識の理論(Theory of knowledge) - 知識を説明する概念と知ることができる限界(認識論) 心理学に関する知識(Knowledge of psychology) - 人間性の概念 デミングは次のように述べている。「これら4つについて、理解し実践するのにその分野の最高権威である必要はない。マネジメントの14のポイントは、西洋のマネジメントスタイルの変革において、この知識の応用として産業界、教育、政府によって自然に適用されている。 「ここに挙げた深遠なる知識の体系の各部分は、別々に考えてはいけない。これらは相互に関連している。従って、心理学に関する知識は、ばらつきに関する知識なしでは不完全である。 「指導者は、人々に個性があることを理解しなければならない。それは何もランク付けするということではない。各人に組織内での役割があり貢献していることを理解するのがマネジメントの責任である」 「システムの理解」は、システムの構成要素間の相互作用理解し、どのようにしてシステムが安定した状態に向かうのかを把握することである。個々の要素によらず、この安定した状態がどんなものであるかによって、システムの出力が決定される。つまりそれは、組織の構成員ではなく構造であり、出力の品質を向上させる鍵はそこにある。 「ばらつきに関する知識」は、測定可能なものには必ず標準的な分散と特殊原因による固有の問題があると理解することである。品質向上は、特殊原因を排除し、標準的な分散を制御することに他ならない。デミングは、標準的な分散に対して変革しようとすれば、システムの性能は低下するとした。この考え方がシックス・シグマへと繋がる。 深遠なる知識の体系は、次に挙げるマネジメントの14のポイントの基盤となっている。
※この「深遠なる知識(Profound Knowledge™)」の解説は、「W・エドワーズ・デミング」の解説の一部です。
「深遠なる知識(Profound Knowledge™)」を含む「W・エドワーズ・デミング」の記事については、「W・エドワーズ・デミング」の概要を参照ください。
- 深遠なる知識のページへのリンク