消救車等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:11 UTC 版)
消救車(しょうきゅうしゃ、正式名称:消防救急自動車)は、それまで別々に出動していた消防自動車と救急自動車の両方の機能を持つ車を配備することに目指して開発された車である。2台買うよりは若干安いが、その分、両方の機能を持つ車両は法令上も想定外だったこともあり、より的確に運用できるかどうかはこれからの課題である。実際に配備されている消防機関はまだ少なく、2004年(平成16年)12月にモリタが開発・製造した日野・デュトロベースの車両が、千葉県松戸市消防局六実消防署に第1号として導入された。2007年(平成19年)4月に京都市消防局北消防署中川消防出張所に全国第2号として消救車が導入されたが、消防車部分は京都市消防局特注モデルのため小型動力ポンプしか搭載していない。救急車部分でも防振ベッドや生体情報モニターなどを備えるが、高規格救急車と比べると設備は劣るため、救急車としては準高規格救急車と同レベルであるといえる。2008年(平成20年)4月に青森県むつ市大畑町の大畑消防団本部付分団に全国3号目の消救車が配備された。同分団の消防団がポンプ車として使い救急車としては、同分団に隣接する下北地域広域行政事務組合消防本部大畑消防署が運用する。2015年度に福井県の嶺北消防組合にも配備された。患者収容スペースを活かした指揮車仕様のタイプが2007年(平成19年)4月現在福岡市消防局、北九州市消防局に配備されている。 他に通常の消防車を用いるケースとして、救急出場時に救急現場に近い消防署・出張所から消防車を同時に出場させ、救命処置や救急隊の活動支援等に当たらせる、いわゆる「PA連携」 と呼ばれる出場がある。一時、愛媛県と高知県の公安委員会が「消防車の本務は消防活動でありPA連携は目的外使用。道交法違反の疑い」などと指摘 したことを受け、2011年12月28日に警察庁交通局交通企画課からPA連携について「消防自動車が緊急走行により救急現場に向かうことが許されると解される」と各都道府県警察本部などに通知。同日、総務省消防庁からも同内容が都道府県に通知 され、現在では全国で問題なくPA連携が行える。
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