沈着様態と体内での挙動とは? わかりやすく解説

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沈着様態と体内での挙動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 01:05 UTC 版)

粒子状物質」の記事における「沈着様態と体内での挙動」の解説

人間呼吸通して微粒子吸い込んだ時、鼻、喉、気管、肺など呼吸器沈着することで健康への影響引き起こす粒子径小さいほど、肺の奥まで達する(沈着する)可能性が高いが、沈着部位粒子径従い複雑な変化をする。粒子径以外に粒子形状個人呼吸速度などにもよるが、概ね5µm下になる肺胞にまで達し始める。ただし、1µmでも肺胞まで達するのは吸入量の1 - 2割のみで、残り呼吸により再び排出される。20nm (0.02µm) 付近肺胞への沈着が最も多く50%程度とされる。これ以下になると、むしろ肺胞よりも上気道への沈着の方が多くなるとされる鼻呼吸よりも口呼吸のほうがより呼吸器の奥に沈着する傾向がある。なお、鼻・気道肺胞などの形状個人異なるため個人でも差異がある。また、運動などにより換気量呼吸数増えると主に1 - 3µm粒子中心に沈着量が増えるアメリカ環境保護庁沈着率は年齢関係ないという結果もあれば小児の方が成人よりもわずかに高かったという結果もあったと1996年報告している。肺の表面積当たりの沈着量は小児の方が多いほか、鼻腔への沈着率は小児の方が低いことなども報告されている。これらをまとめた(環境省2008年)は、小児呼吸数単位体重あたり換気量大きいため肺の表面積当たりの沈着量は大き傾向があり、「吸入粒子対すリスク大き可能性がある」としている。 ただし、これらの沈着した粒子は咳、鼻汁気道線毛運動肺胞マクロファージ肺胞マクロファージ)による貪食輸送などのクリアランス機能により次第除去されていく。なお、吸湿性粒子溶解していく一方、非吸湿性不溶性)の粒子溶解せず粒子のまま移動する動物における報告が多いが、人における放射性同位体マーカーとした実験Baileyら、1982年)によると、1.2µm粒子で約8%、3.9µm粒子で約40%が6日以内除去され長期的にはおよそ600日で半減するペースで肺から除去されている。一方不溶性が高い粒子長期わたって肺に残留するものがあり、クレイリングとショイヒは2000年モデル予測からこうした粒子の約3分の1体内から除去されないと報告している。不溶性が高い粒子は主に黒色炭素微粒子であることが知られている。 また、PM0.1のような超微小粒子レベルになると肺以外への影響懸念されるような血液への移行があるという報告もあるが、否定する報告もあり、研究途上である。 なお、粒子状物質同時にオゾン二酸化硫黄などの生体への刺激性のある大気汚染物質がある状態、いわゆる共存暴露による影響報告されている。オゾン二酸化硫黄急性暴露により気管支収縮生じるが、シュレズィンガーは1995年粒子状物質とこれらの共存暴露により下気道への粒子沈着促進される可能性指摘している。

※この「沈着様態と体内での挙動」の解説は、「粒子状物質」の解説の一部です。
「沈着様態と体内での挙動」を含む「粒子状物質」の記事については、「粒子状物質」の概要を参照ください。

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