江戸しぐさ
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江戸しぐさ(えどしぐさ)とは、芝三光(しば・みつあきら)[注 1][1]によって創作・提唱され、NPO法人江戸しぐさが「江戸商人のリーダーたちが築き上げた、上に立つ者の行動哲学」[2]と称し普及、振興を促進する概念・運動である[3]。「江戸しぐさ」はNPO法人江戸しぐさが「紙類、文房具類、印刷物」「セミナーの企画・運営または開催、書籍の制作、電子出版物の提供、教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く)」に関し、商標権を有している[4][5]。
注釈
- ^ (本名:小林和雄、別ペンネーム:浦嶋太郎、1928年 - 1999年)
- ^ 本名・芝三光(しば・みつあきら)、芸名が浦島太郎であるという説もある。生前の芝と親交があったコンサルタントの牛場靖彦は、『浦島太郎とはもとより芸名で、本名は芝三光(しば・みつあきら)さんとのこと。それも愉快な話で、東京は芝の生まれ、芝で育ったそうで、芝は白金三光町(しろがね・さんこうちょう)が住まいだったことから、三光(みつあきら)と命名された由』と述べている[32]。
- ^ 現代のマナーである「訪問する前に電話(電子メール・SNSなど)で相手の了解を得ること」を元に考案されたものとして、江戸しぐさが創作であることの証左とされることがある。
- ^ 時計が一般には普及していないため、時鐘堂など時間を知らせる鐘建物があった(→岡山の時鐘堂)。
- ^ 禁煙令自体がなかった訳ではない。ただ、それは火災対策による治安維持や倹約および米作から煙草栽培への転換を防ぐためであって、主に健康志向が主要な動機となっている現代の禁煙とは異なる[45]。
- ^ ただし、江戸時代に年賀状が全くなかったとも言えない[47]し、書状の書き方の教育もなされていた。
- ^ 公式ウェブサイトの「銭湯づきあい」の情景として、式亭三馬の『浮世風呂』が挙げられている[48]。ただ、実際の『浮世風呂』の描写は大意こそ「熟(つらつら)監(かんが)みるに銭湯ほど捷径(ちかみち)の教諭(おしえ)なるはなし…」と綴り始めているが、「……後の観月(つきみ)の芋を食つて、屁の如き小冊成る」で終わっていることから判るように諧謔であり、本文には喧嘩の描写がかなり見受けられ、また寝転がって煙草を吸う姿の挿絵(36-37頁)が見受けられる。本文の喧嘩の描写の例は以下の通り(48-49頁)。 ……いう折からうしろの人、立っていておか湯をあびる。途端の拍子に、又一人の男小桶へ水を汲んでさげ来りしが、辷(すべ)って転ぶと、生酔の頭からざっぷり
酔(客)「オオひやッこいホイホイ、コレハコレハ、ヤイあちらの男、ナゼ立っていて、はねをかけた。まだあるある、ヤイこちらの男、ナゼころんで水を浴びせた」
酔(客)「イヤ笑うな、可笑しくないぞ。人に水をかけて是がほんの水かけ論だ。二人ながら俺が対手(あいて)だぞ。コレ此の通り水瓶が鼠へ落(おっこ)ちたように十分濡(ずぶぬれ)だ。了簡(りょうけん)ならぬ。二人ながら待って居ろ。コレ番頭、先刻(さっき)から喧嘩の対手が欲かッたが、漸々(ようよう)の事(こっ)て二人一時(ふたりいちどき)に出来た。とてもの事に笊(ざる)を貸せ、湯の中を探して見たら、最(も)う二三人はあろう。サアサア皆覚悟しろ。今の二人迯(に)げるな。迯がしては番頭相手だぞ。今見おれ」
「ハイ御免なさい。どうも麁相(そそう)だ、仕方がねえ」
酔(客)「ナニ麁相だ。コレ、そッちの転ぶは麁相でも済もうが、おれに水をかけて麁相で済むか、湯をくぐらせた上で、水をかけるとは野郎の素麪(そうめん)と思うか」
「ハハハ」
- ^ 1868年(慶応4年)5月9日付の三条実美から岩倉具視宛の書簡によると、 「梅雨之節、先以聖上益御機嫌克被為渉(まずもってせいじょうますますごきげんよくわたらせなされ)、恭悦奉存候(きょうえつぞんじたてまつりそうろう)、当府格別相変候儀無御座(とうふもかくべつあいかわりござなくそうろうのぎ)、先無事(まずはことなし)、併(しかし)旗下(きか)之賊徒彰義隊ト唱候者抔(となえそうろうものなど)、頻(しきり)ニ暴動ヲ働キ、薩藩肥前藩士ヲ及殺害(さつがいにおよび)、官軍方ニモ大ニ憤怒ヲ生ジ、甚以(はなはだもって)鎮定ニ至兼候(いたりかねそうろう)、猶(なお)市中ニ於(おい)テ無辜之者ヲ殺害シ金策等ヲ致(いたし)、大ニ人民ヲ苦メ、凶暴之所業相止(あいや)ミ不申(もうさず)、今日ノ勢(いきおい)迚(とて)モ是儘(このまま)ニ平定不仕候間(へいていつかまつらずそうろうのあいだ)、大村西郷トモ相談(あいだん)ジ、近日弥(いよいよ)官軍ヲ以(もって)、討伐可致事(とうばついたすべきこと)ニ軍議内決仕候(ぐんぎのうちにきめつかまつりそうろう)、今一戦争(いまいっせんそう)ハ不得止(やむをえず)相(あ)ハシメ候間(そうろうのあいだ)此段内々申上置候(このだんうちうちにもうしあげおきそうろう)」
とある[52]。
- ^ 山岡鉄舟の手記によれば、覚王院義観の言葉は以下の通り。
[52] ※「蜂腰」とは、蜂のようにくびれた女性の腰(ウエスト)のこと。ここでは、男性らしい気骨のない人士であるという意味。
出典
- ^ a b 続・江戸しぐさの正体
- ^ NPO法人 江戸しぐさ 「「江戸しぐさ」は、江戸商人のリーダーたちが築き上げた、上に立つ者の行動哲学です」
- ^ NPO法人「江戸しぐさ」の概要「「江戸しぐさ」の普及、振興に関する事業」
- ^ 登録番号 第5274382号
- ^ [1] 特許電子図書館 2021年9月30日閲覧 “かがやき 〜子どもたちと人権について学ぶために〜(平成25年度)” (PDF). 栃木県教育委員会事務局生涯学習課. 2014年12月18日閲覧。
- ^ 芝の弟子で「江戸しぐさ」伝承者
- ^ a b 越川禮子 - NTTコムウェア
- ^ 原田実『江戸しぐさの終焉』星海社新書、2016年。ISBN 978-4061385825。 27頁、28頁
- ^ 第3話「江戸しぐさへの旅」
- ^ 原田2014、p30。
- ^ 江戸しぐさ|広告作品アーカイブ|ACジャパン「当時の人々が、快適な社会生活を営んでいくための知恵としてまとめられたのが「江戸しぐさ」です。ルールや決まりごとなどという強制的なものではなく、「しぐさ」としたのが江戸っ子たちのイキなところ」
- ^ 続・江戸しぐさ - ACジャパン広告作品アーカイブ
- ^ 参考:日本のマナー 江戸しぐさ 東京都民の先輩、江戸っ子の「傘かしげ」や「腰うかし」といった“江戸しぐさ”になぞらえ、公共の場でのマナーを“イキ”な生活の知恵として紹介
- ^ 公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団 | 事業内容 | 研究広報誌「アド・スタディーズ」発行連載〈いま読み直す“日本の”広告・コミュニケーションの名著〉 第19回 『江戸の繁盛しぐさ』 岡田 芳郎
- ^ a b 朝日マリオン 江戸しぐさ 今に通じる「都市」の知恵
- ^ 栃木県総合教育センター「最近、さまざまな場面で取り上げられている「江戸しぐさ」を紹介する教材」
- ^ 「傘かしげ」「時泥棒」…今に生きる思いやり 「江戸しぐさ」道徳教材に|最近の新聞記事 6年生・社会 2006年4月7日 読売新聞東京本社 朝刊
- ^ 文部科学省『私たちの道徳 小学校5・6年』平成26年度版
- ^ PR誌【虹】バックナンバー 平成21年|育鵬社ー「江戸しぐさ」講義報告ー 今に活かそう!「江戸しぐさ」
- ^ 平成24年度『中学社会 あたらしいみんなの公民』:育鵬社
- ^ READYFOR?ホームページ
- ^ a b 越川『商人道「江戸しぐさ」の知恵袋』、第七章『抹殺された江戸しぐさ』2001年
- ^ 越川『江戸の繁盛しぐさ』(単行本)p71、越川『商人道「江戸しぐさ」の知恵袋』pp157~158、越川監修・みやわき心太郎画「江戸しぐさ残すべし」『ビッグコミックONE』2008年4月3日号
- ^ 池田整治、ガイアのつぶやき・・・その2、船井幸雄.com。
- ^ NPO法人「江戸しぐさ」シリーズ 江戸しぐさの誕生とその系譜【上】 第1話「最後の江戸講元」
- ^ NPO法人「江戸しぐさ」シリーズ 江戸しぐさの誕生とその系譜【上】 第3話「江戸しぐさへの旅」 ただしこのリンクでは『スターズ・アンド・ストライプス』に関して具体的な掲載年月日・号・ページへの言及がないので検証できない。
- ^ 生年について、原田実は「オカルト化する日本の教育」、ISBN 978-4-480-07146-0、p.133-136で論証している。
- ^ 芝三光の江戸しぐさ振興会とは 江戸しぐさの歴史、芝三光の江戸しぐさ振興会
- ^ 母方の祖父が江戸講元であったという。NPO法人「江戸しぐさ」シリーズ 江戸しぐさの誕生とその系譜【上】 第2話「祖父は江戸講の講元」
- ^ みやわき心太郎『江戸しぐさ 残すべし』『ビッグコミックONE』2008年4月3日号所収、単行本未収録。劇画という形式ではあるが刊行された唯一の小林の伝記である。
- ^ 浦嶋太郎とも。芝三光の江戸しぐさ振興会とは 江戸しぐさの歴史、【芝三光の江戸しぐさの歴史と伝承者】、芝三光の江戸しぐさ振興会
- ^ 日経BP 江戸っ子リスクマネージャーの車座清談 2005年7月1日
- ^ NPO法人「江戸しぐさ」シリーズ 江戸しぐさの誕生とその系譜【上】 第4話「関心寄せた文化人」
- ^ 越川『商人道「江戸しぐさ」の知恵袋』のあとがきおよび、NPO法人「江戸しぐさ」シリーズ 江戸しぐさの誕生とその系譜【上】 第3話「江戸しぐさへの旅」
- ^ 飯能教会 土橋誠
- ^ その31 「時泥棒」
- ^ 「江戸しぐさ」に学ぶマナー
- ^ その20 「七三の道」
- ^ a b c 江戸しぐさの授業
- ^ 江戸商人の第6感は研ぎ澄まされていた!? 取り戻したい「江戸しぐさ」
- ^ a b 金子正秀, 「江戸しぐさの精神をヒューマンインタフェースに!」『映像情報メディア学会誌』 2011年 65巻 3号 p.k11, doi:10.3169/itej.65.k1。
- ^ 「それホンモノ? 『良き伝統』の正体」、毎日新聞、2016年1月25日 東京夕刊
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- ^ 「江戸時代の暮らしと時間」[2]
- ^ たばこの歴史 徳川幕府と「たばこ」の関係 たばこワールド JT
- ^ 原田2014、p71-75。
- ^ 年賀状前史 年賀状博物館、フタバ株式会社
- ^ その19 「銭湯づきあい」
- ^ 式亭三馬:『浮世風呂』1937年(昭和12年)版
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- ^ 越川禮子『商人道「江戸しぐさ」の知恵袋』第4章・第7章
- ^ 原田実 (作家) (2015年2月10日). “続・江戸しぐさの正体 第2回:「江戸食事仕様」とは何だったのか”. ジセダイ. 2015年3月28日閲覧。
原田2014、p32。 - ^ a b c 林啓太 (2015年4月6日). “ニセの歴史か「江戸しぐさ」史料の裏付けなし:「こちら特報部」”. 東京新聞: p. 2
- ^ “偽物の歴史”を教育に用いるのは、倫理の根幹を破壊する行為~「江戸しぐさの正体」著者・原田実氏インタビュー (1/2)(2/2)
- ^ 高尾善希による、2014年8月26日19:38のツイート
- ^ 高尾善希による、2014年8月26日20:37 のツイート
- ^ 柳家 三之助による、2014年9月12日のツイート
- ^ 飯間浩明による、2015年4月17日のツイート
- ^ (参考)2012年5月11日 (金) 11:15の版
- ^ “法政大学 社会学部メディア社会学科教授 田中優子 氏が講演(2013.6.12)”. 麗澤大学. 2015年6月26日閲覧。
- ^ “第13回:田中優子法政大学総長の方向転換 『NEWS23』における「江戸しぐさ」報道によせて”. ジセダイ/星海社. 2016年1月25日閲覧。
- ^ 碓井真史 「「江戸しぐさ」はやめましょう。:何が問題か。なぜ広がったか。」 2015年6月26日
- ^ 呉座勇一 (2018年6月1日). “江戸しぐさが好きな人ほど陰謀論にハマる -複雑なものを単純化すると間違える-”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン). プレジデント社. 2018年10月20日閲覧。
- ^ 呉座, 勇一 (2017年10月18日), “本よみうり堂 コラム 空想書店「10月の店主は呉座勇一さんです」”, 読売新聞.
- ^ a b c d e f g h i j k 原田実. “第14回:文部科学省と「江戸しぐさ」”. ジセダイ/星海社. 2016年4月7日閲覧。
- ^ 2015年3月24日守谷市長定例会見報告資料(守谷市公式ホームページ)・「わたしたちの守谷しぐさ」
- ^ 堀内京子、田中聡子「親を悩ます「PTA問題」 前川喜平さんに聞いた」『論座』朝日新聞社、2019年5月11日。2019年5月13日閲覧。
- ^ 原田実、偽書が揺るがせた日本史、ISBN 978-4-634-15163-5、pp.122-124、山川出版社、2020-03-25発行。元の記述は、集英社新書プラス、2019年6月26日付「「日本人の自覚」を求めるとむしろヘイトを煽る 元文部科学事務次官・前川喜平氏に訊く(3)」聞き手 青木理 による。
- ^ a b 碓井真史「「江戸しぐさ」が道徳教材に残る:文科省の回答への反論:コロンブスの卵は良くても江戸しぐさがダメな理由」『』Yahooニュース個人、2016年4月5日。2019年5月13日閲覧。
- ^ 長井雄一朗「会社を誤った方向に導かないために 原田実氏が指摘する江戸しぐさとフェイクニュースの共通点」『』excite、2017年10月18日。2019年5月13日閲覧。
- ^ 広報いわふね2012年12月号(栃木市公式ホームページ)
- ^ いわふねしぐさ実行委員会(栃木市公式ホームページ)
- ^ 墨田区のゆるキャラ 「向嶋言問姐さん」公式サイト
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