機関統合後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 01:38 UTC 版)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)設立直後のH-IIAロケット6号機の打ち上げは失敗したものの、その後は成功を重ねた。さらに2009年には、より搭載能力の高いH-IIBロケットによる宇宙ステーション補給機(HTV)の打ち上げも成功させ、国際宇宙ステーション(ISS)への物資の補給を初めて成功させた。また同年にはISSで最大の実験棟となるきぼうの運用も開始された。2013年秋に、M-Vロケットの後継の固体燃料ロケットのイプシロンロケットの初号機が打ち上げられた。一方で、初の商業打ち上げとなった2012年のH-IIA21号機によるアリラン3号の打ち上げ以来商業受注を再び指向するようにもなっている。 衛星分野に関して言えば、1990年の日米衛星調達合意以降、国内で打ち上げる人工衛星の多くが官製の科学衛星や実験衛星になったため、この分野の技術力が強いものとなっていった。気象衛星のひまわり7号の標準衛星バスのDS2000はきく8号に使用された衛星バスを発展させることによって開発されたもので、これによりコストを下げることができ、再び国産で気象衛星を打ち上げることができるようになった。また標準衛星バスのNEXTARを開発したことで、基礎部分をある程度共有するセミオーダーメード型の衛星の実現が可能になり、安価で迅速な開発も可能となり、小型科学衛星(SPRINTシリーズ)や実用リモートセンシング衛星(ASNAROシリーズ)を多く打ち上げる計画も立ち上げられている。 近年で最大の成功ははやぶさの帰還と言える。工学実験を主目的に作られたはやぶさは、2003年に内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケットで打ち上げられ、2005年に小惑星イトカワを探査、打ち上げから60億kmの飛行を経て2010年に地球に帰還した。イトカワへの着陸時にトラブルがあったため、小惑星の試料を採取できていない可能性が高いとされていたが、帰還させたカプセルの中に小惑星の試料が入っており、これによってはやぶさは世界で初めて小惑星から試料を持ち帰った探査機になった。
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