標準化とネイティブクエリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 14:52 UTC 版)
「オブジェクトデータベース」の記事における「標準化とネイティブクエリ」の解説
DBMSにオブジェクトを格納する移植性のあるアプリケーションソフトウェアを開発できるようにするための、複数の仕様を策定することを目的とした標準化団体として、ODMG (Object Data Management Group) があった。ODMGに参加していた会員は、ODBMS開発企業およびオブジェクトリレーショナルマッピング技術の開発企業、研究者のコミュニティ、その他 ODMGの目的に関心をもった団体であった。ODMGは、いくつかの仕様を策定し公開した。2008年現在の最新バージョンは ODMG 3.0 である。ODMG 3.0 は次の内容から構成される。 概要 オブジェクトモデル: OMG (Object Management Group) オブジェクトモデルに基づく オブジェクト仕様言語オブジェクト定義言語 (ODL; Object Definition Language) オブジェクト交換フォーマット (OIF; Object Interchange Format) オブジェクト問い合わせ言語 (OQL; Object Query Language) C++バインディング Smalltalkバインディング Javaバインディング 補遺OMGオブジェクトモデルとの比較 1990年代後半にオブジェクト指向プログラミング言語Javaが普及する状況があり、主なODBMS開発企業とオブジェクトリレーショナルマッピング技術の開発企業の多くは、ODMG Java言語バインディングの仕様を策定すべきだと主張した。Java言語バインディングは、ODMG仕様に追加された。2001年に、ODMG Java言語バインディングは Java Community Process (JCP) に提出され、Java Data Objects (JDO) 仕様の基礎となった。ODMGの参加企業は、Java Data Objects仕様の策定に専念することを決定した。その結果、標準化団体ODMGは2001年に活動を停止した。 一方、ORDBMSにおいては、多くのオブジェクト指向の機能が、SQL:1999の標準に採用され規定された。現時点では、実際のORDBMSによる、SQL:1999で規定されたオブジェクト指向機能の実装水準は、さまざまである。 2005年にクック、レイ、ローゼンバーガーが、ODBMSについて、ODMGとは異なる手法で取り組むことを提唱した。彼らは、ODBMSにODMGのような標準化されたオブジェクト指向のデータ操作のインタフェースを追加するという手法を放棄し、オブジェクト指向プログラミング言語(Javaや.NETなど)自体に、オブジェクトデータベースに対するデータ操作機能をもたせることを、提唱している。その結果として、db4oなどネイティブクエリを実装したODBMSがいくつか現れている。こうした動向と同様な動きとして、マイクロソフトが、2005年9月に統合言語クエリ (LINQ; Language Integrated Query) とDLINQ(LINQの実装)を発表した。LINQとDLINQは、マイクロソフトのプログラミング言語であるC#やVisual Basic .NETに、密接にプログラミング言語に統合されたデータベースクエリ機能をもたせる技術である。 2006年2月に、オブジェクト指向技術の標準化団体OMG (Object Management Group) が、ODMG標準の権利を取得し、ODMG 3.0を基にして次世代のオブジェクトデータベース技術を開発すること、およびそのためにオブジェクトデータベース技術作業部会 (ODBT WG; Object Database Technology Working Group) を発足させたことを、発表した。ODBT WGは、オブジェクトデータベースのさまざまな面での技術的革新の次のような標準群を作成している。 オブジェクトデータベース技術(レプリケーションなど) データ管理(空間インデクシングなど) データフォーマット(XMLなど) オブジェクトデータベースの適用対象領域を支援する機能(リアルタイムシステムなど)
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