栗栖野瓦窯跡とは? わかりやすく解説

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栗栖野瓦窯跡

名称: 栗栖野瓦窯跡
ふりがな くるすのかわらがまあと
種別 史跡
種別2:
都道府県 京都府
市区町村 京都市左京区岩倉幡枝町
管理団体 京都市(昭9・5・1)
指定年月日 1934.01.22(昭和9.01.22)
指定基準 史6
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 字福丘陵ニアリ多クハヲ以テ蔽ハレ構造ヲ詳カニスル能ハサルモ京都府ニ於テ試掘結果丘陵傾斜面利用シ幅約四尺ノ登窯ヲ造リタルモノト認メラル附近燒土散在シ又巴瓦唐草瓦ニ「平瓦ニ「木工ノ文字ヲ浮彫セルモノ及ヒ碧瓦破片發見セリ
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栗栖野瓦窯跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/25 05:07 UTC 版)

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栗栖野瓦窯跡(2018年2月4日撮影)

栗栖野瓦窯跡(くるすのがようせき)は、京都市左京区岩倉幡枝町に位置する平安時代兼業窯の遺構。「」や「木工」の文字を持つ瓦の出土などにより、『延喜式[† 1]に見える「栗栖野瓦屋」に比定されている[1]座標: 北緯35度3分52秒 東経135度46分23秒 / 北緯35.06444度 東経135.77306度 / 35.06444; 135.77306 (栗栖野瓦窯跡)

栗栖野
瓦窯跡
位置図

概要

地理院地図 Googleマップ 栗栖野瓦窯跡

栗栖野瓦窯跡の発見

栗栖野窯は木村捷三郎により1930年に発見され、1934年の京都府史蹟名勝地保存委員会による瓦窯2基の発掘調査を経て、国の史跡に指定された。しかし、その範囲は限られたものであり、窯は幡枝丘陵の「城山」(じやま)の南斜面一帯に築かれたが、宅地造成により、史跡指定地以外で人知れず姿を消した窯跡もある[2]

栗栖野瓦窯を最初に発見報告した木村捷三郎は、「栗栖野瓦屋」を分布上、福枝・西幡枝・南庄田の三地区[† 2]に分けた。これらはいずれも丘陵裾の低い部分に立地しており、平地を挟んで向かい合う位置関係にある。現在、それぞれは栗栖野瓦窯跡・円通寺瓦窯跡・南ノ庄田瓦窯跡として周知の遺跡となっており、栗栖野瓦窯跡の一部は国の史跡に指定されている。栗栖野瓦窯跡は南ノ庄田瓦窯跡[† 3]より北へ約200m進んだ位置にある。円通寺瓦窯跡は鞍馬街道の峠付近に位置し、南ノ庄田瓦窯跡から直線距離で約450m西方にある。栗栖野瓦窯跡が平安時代全時期を通して操業されているのに対し、南ノ庄田・円通寺瓦窯跡では主として平安時代後期の瓦が出土する。そのため、栗栖野瓦窯跡がその中核をなし、周囲の瓦窯は一時的に操業されたとみるのが一般的である[3]

その後の発掘調査

1992年に行われた発掘調査では、平安時代前期の窖窯が発見され、中から釉滴が残る瓦や二彩釉の多口瓶の破片が出土した。岩倉盆地は瓦の生産地であるとともに、緑釉陶器の一大生産地でもあり、施釉技術も伝承された場所であった。平安宮大極殿の屋根を彩った緑釉瓦も、ここ栗栖野瓦窯周辺で生産されたのであった[4]

脚注

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注釈

  1. ^ 『延喜式』巻三十四木工車載条「凡自小野栗栖野両瓦屋至宮中車一. 両賃卅文」
  2. ^ 福枝・南庄田の呼称は小字名、西幡枝の呼称は地域の通称名に由来する。
  3. ^ 檜峠(深泥池から岩倉盆地へ入る峠)付近で発掘された瓦窯跡。

出典

  1. ^ 木村捷三郎「『史林』第15巻, 第4号『山城幡枝村発見の瓦窯址‐延喜式に見えたる栗栖野瓦屋』」1930年。
  2. ^ 京都大学考古学研究会「岩倉古窯跡群」1992年。
  3. ^ (財)京都市埋蔵文化財研究所「京都市埋蔵文化財研究所調査報告第18冊『南ノ庄田瓦窯跡』」1998年。
  4. ^ (財)京都市埋蔵文化財研究所「掘り出された京都」2012年。


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