東日本大震災における流言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:10 UTC 版)
2011年の東日本大震災でも多くの流言が発生している。「チェーンメール#チェーンメールが招いた悪影響」を参照。この地震に起因する流言を分析した松永英明によれば、震災発生後1か月で80個のデマが広がり、大別して11種類に分けられるという。内訳は「情報の混乱によるデマ」「科学的・医学的知識の欠如によるデマ(疑似科学を含む)」「偏向報道によるデマ」「政治家を貶めるデマ」「外国の支援を政府が妨げているとするデマ」「政府批判デマ」「その他企業・個人を批判するデマ」「人種差別デマ」「日本ユニセフ・アグネス・チャン(・日本赤十字社)を批判するデマ」「被災地の誤報」「好意的すぎる予断」「洒落がデマと化したデマ」などに分けることができるという。特に、この地震のデマはツイッター上で流れた不正確な情報を大量にツイートする人がいたことから広まるケースが多かった。さらに国内マスコミに不信感を持つ人々が海外メディアの誤報をインターネットに転載したため、デマに拍車がかかった。外国メディアの中には「福島第一原発では核兵器開発が行われていた」「東日本は今後300年、焦土と化す」など、珍妙な報道をするものもあった。 東北学院大教授の郭基煥が2016年9 - 10月に仙台市青葉区・宮城野区・若林区に住む20 - 69歳の日本国籍の770人から取ったアンケートによると、51.6%が被災地で外国人の犯罪があるという噂を聞き、聞いた者のうち信じた者は86.2%だった。その一方で外国人犯罪を見た者は0.4%、外国人犯罪ではないかと思われる現場を見た者は1.9%だった。情報源(複数回答)は68.0%が家族や地元住民による口コミ、インターネットが42.9%であった。年齢や性別で大きな差はなかった。宮城県警は流言を否定するチラシを避難所に配った。郭基煥は、災害教育にデマ対策も位置付けるべき、と述べた。
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