東日本大震災において
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 15:05 UTC 版)
「木の屋石巻水産」の記事における「東日本大震災において」の解説
東日本大震災の被災で、工場の缶詰約100万缶が津波で流失した。それら中身の品質に問題ない缶詰が、救援物資の届くまで被災者の「命の缶詰」となった。 大量の缶詰がガレキ・泥水の下に埋まっており、木の屋石巻水産が再建の第一歩として掘り出し始めたところ、震災前から「サバ缶」など取り引きのある東京都世田谷区経堂のコミュニティ酒場「さばのゆ」(作家須田泰成運営)から、「泥つきでいいから缶詰を送ってほしい」と連絡を受ける。 さばのゆ酒場では、この缶詰をボランティアで手洗いし「1000円の義援金につき3缶をお返しとして渡す」活動を始める。この活動がテレビで報道されて木の屋石巻水産への支援活動が広がり、「希望の缶詰」と呼ばれた缶詰25万缶が支援者の手に渡り、再建の一助になった。 この支援活動と木の屋石巻水産について、さばのゆ運営の須田が震災の翌2012年(平成24年)に絵本『きぼうのかんづめ』として、2018年(平成30年)にも書籍『蘇るサバ缶 震災と希望と人情商店街』として、出版している。 なお、木の屋石巻水産の鯨の缶詰は2011年12月10日、JR仙台駅(宮城県仙台市)の構内の復興応援ショップ「絆」でも販売された。「絆」は、収益を震災の義援金に充てる趣旨で2年間限定のオープン。JR東日本グループの運営で、3階新幹線中央改札横の店舗に約300品目以上が並んだが、木の屋石巻水産の鯨の缶詰や、震災後に養殖したカキの塩ゆで・炙(あぶ)り焼きなどが人気となった。
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