時空の秘密
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 01:21 UTC 版)
本作の時空は5次元空間(作中では「時間の外側」)から俯瞰すると巨大な「樹」のように見える。幹にあたる部分が改変されていない歴史であり、改変を受けるとその時点から枝のように分岐して別の世界(並行宇宙)になってしまう。外的な要因による干渉は全て分岐する理由となってしまうため、時間を遡ったり人造人間などの代用で歴史をコントロールすることは不可能となっている。つまり過去改変を行った所で既存の未来には一切影響が無く、「改変が行われた世界」である「時間枝」が発生するだけであり、タイムパラドックスは決して起きる事は無い。しかし逆に言えば、その為の手段さえあれば誰もが自分の思い通りの世界をいくらでも作れるという事であり、この事実が明るみに出るという事は無数の時間犯罪者を生み出す事に等しい。改変はたとえ善意から行ったことであっても、後の歴史を変えてしまうことで取り返しのつかない結果を導き出してしまった事例も存在する。 この設定自体は長谷川が過去に原案を務めた『EXPER ZENON』に登場している。 クロノアイズの任務は「改変を防ぐこと」であるが、その真の意図は「時間の分枝による時空間の混乱を防ぐこと」と、「クロノアイズが歴史改変を防いでいるからタイムパラドックスは起きていない」と人々に認識させる事で「時間が分枝するという事実を隠し続けること」である。万が一、改変され分岐してしまった時間枝には不干渉とすることでさらなる混乱を防ぐという方針を取っている。310世紀には地球より10万光年離れた宙域に情報惑星ファウンデーションを建造し、地球の歴史を監視している…という事になっているが、これも全てそう思わせる為のブラフである。 幹にあたる部分(本来の歴史)は「最良解」と呼ばれ、一度も時空犯罪が成立せず平和が保たれている。本編の舞台となる時間枝は、ある少女が未来からの干渉によって時間犯罪者ハデスへと変貌した事で最良解から分枝したとされる。 何らかの要因で一時的に分岐した時間枝が、その原因(改変によって発生した遺物など)が消滅することで元の流れに合流する「部分分岐」も存在する(本来死ぬ人物が改変で生き残っても、その人物が歴史上重要な人物でなければ部分分枝で終わる)。 初期型の航時機に乗って姿を消したキャサリンの遺したデータに記された事実は最重要機密事項とされ、クロノアイズを作った初代局長・クロノスと、そのクローンである歴代のクロノスのみに伝えられる。しかし第2部ではグランサーという職業が成立していたり、この事実を知った上で悪事を働く時間犯罪者も存在するなどかなり周知されており、タイキ達も殆ど隠そうとしていない。作中でタイキたちと出会う前のグリーナムと「グリーナムと出会った後のタイキたち」が出会い、本編の時空改変の切っ掛けになっているなど、タイムパラドックスこそ起きてはいないが、因果関係は複雑極まりないものとなっている。
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