ドビュッシー:映像 第2集
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ドビュッシー:映像 第2集 | Images 2 | 作曲年: 1907年 出版年: 1908年 初版出版地/出版社: Durand |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 葉ずえを渡る鐘の音 "Cloches a travers les feuilles" | 4分00秒 | |
2 | そして月は廃寺に落ちる "Et la lune descend sur le temple qui fut" | 5分30秒 | |
3 | 金色の魚 "Poissons d'or" | 4分30秒 |
作品解説
独自の作曲語法を広げていったドビュッシーは、1905年に交響的素描「海」を書き上げ、彼の一つの完成に到達した。その後映像第1集を書き、自らこの曲を、シューマンの左、ショパンの右に位置する作品と評し、自信の程をうかがわせている。
その2年後の1907年に同じく3曲からなる第2集を作曲し、一層表現の幅を広げている。これが端的に現れているのが、3段譜の採用で、右手用、左手用に分けられた従来のピアノの記譜法には収まりきれないドビュッシー独自の表現の大きさが、3段譜を使わせる結果となったのだろう。彼の3段譜の記譜法はリストが部分的に用いたのとは、目的が全く異なっている。また、この3段譜の記譜法は後にプレリュード第2集でも採用されている。
1.葉ずえを渡る鐘の音 / "Cloches a travers les feuilles"
第2集の第1曲。ドビュッシーの視覚的な感性が特に際立った傑作で、静寂の中に響く遠くの鐘の音がしみ込んでゆく様子を描いている。全音音階も用い、独特の雰囲気を醸し出している味わいある小品。
2.そして月は廃寺に落ちる / "Et la lune descend sur le temple qui fut"
月が沈むなどという音のない“静寂“という世界を見事に描き出した一曲。高音の繊細な和音、低音の深い響きが解け合い、巧みな音の配置でドビュッシー独自の境地が聞こえてくる。
3.金色の魚 / "Poissons d'or"
第2集の第3曲。2尾の金色の鯉が描かれた日本の漆絵からインスピレーションを得て作曲されたと言われている。金魚の細やかな素早い動きを、緻密なパッセージで非常に技巧的に書かれている。
映像 第2集 (Images II)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/02 16:50 UTC 版)
「映像 (ドビュッシー)」の記事における「映像 第2集 (Images II)」の解説
1907年作曲。初演は1908年2月。同じくリカルド・ビニェスによる。 葉ずえを渡る鐘(Cloches à travers les feuilles)『葉蔭を漏れる鐘の音』とも訳される。全音音階と五音音階が特徴的に使われている。 荒れた寺にかかる月(Et la lune descend sur le temple qui fut)『そして月は廃寺に落ちる』とも訳される。 金色の魚(Poissons d'or)金魚ではなく、ドビュッシーの書斎に飾ってあった日本の漆器盆に金粉で描かれた錦鯉に触発された作品。
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