映像からOが浮上
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:59 UTC 版)
「京都小学生殺害事件」の記事における「映像からOが浮上」の解説
捜査本部は、12月19日の宇治市のホームセンターの防犯カメラに映っていた男の映像から数枚の写真を作成。男が10代から20代に見えたことから、年明けから府内の学校を廻って割り出しを進めた。 1月中旬、この写真を見た教諭の一人が、数年前に別の学校にいたときに生徒だったOに、男の顔や姿がそっくりだと証言。Aの遺族によると以前に京都府立洛水高等学校で教頭を務めていた教諭が、「ひょっとしたら、O君かもしれへん。校長に確認してくれ」と言ったのが端緒であったという。そこで該当の男Oを捜査員が見に行ったところ、写真の人物と非常によく似ていた。そこで本人を刺激しないよう、自宅周辺の聞き込みを避けながら、慎重に裏付け捜査を開始した。 1月13日、捜査員は京都府立洛水高等学校を訪れ、男の写真を校長に見せた。だが画像が不鮮明なこともあり、校長の答えは「うーん、O君には見えへんなあ」というもので、校長から写真を見せられた他の教諭らも、「これはOとちゃうねえ」という反応だった。ただ一人、かつてOの担任だった教諭が「ひょっとしたらそうかもしれへんな」と言ったのみであったという。しかし、既にOに目星をつけていた捜査員は、その後も繰り返し確認を求めに来校した。 洛水高校で粘り続けた捜査員は、自転車の防犯登録用紙と照合するため、Oの作文や答案が残っていないかを尋ねてもいる。全て本人に返却していたため高校に残っているものはなかったが、校長が「本人がバイクに乗っているなら、教習所に行けば、申請用紙とかがあるんじゃないですか」と言うと、刑事たちは「アッ」と叫んで顔を見合わせ、そのまま学校を飛び出していったという。 このような経緯を経て、捜査本部はOの通っていた教習所へ問い合わせ、前述のアンケートと入学願書がここで見つかった。これらを防犯登録用紙と照合した結果、互いに筆跡が酷似していることが判明した。 捜査本部はそこから、24時間体制でのOの監視を開始。Oの自宅と向い合せの団地の棟の一室を借り上げ、双眼鏡で監視した。Oは昼夜逆転した生活を送っており、夜中に部屋の中で紙に火を点け、外に放り投げるなどの奇行が見られたほか、夜中にオートバイで外出しては、宇治川沿いをあてもなく徘徊したり、長岡京市まで行き、小学校の校庭で遊んでいる児童らを網越しに眺めるなどの行為が確認された。 1月末からOは、最終的に自殺することとなる高層集合住宅(向島ニュータウン)をしばしば訪れている。9階に住む女性が1月31日に、自宅近くで眼鏡を掛け、リュックサックにジャンパー姿のOを目撃しているほか、6階に住む女性も2月1日から3日まで連日、午前6時にOが黒いジャンパーにジーンズで1階のエレベーターホールに立っているOを目撃している。捜査の手が迫った際に自殺することを計画に組み込んでいたのではないかとも考えられ、監視を行っていた捜査本部が任意同行に踏み切ったのは、Oに自殺の虞があるためでもあった。
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