日米安保についてとは? わかりやすく解説

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日米安保について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:28 UTC 版)

三島由紀夫」の記事における「日米安保について」の解説

日米安保については、〈安保賛成反対かといふことは、本質的に私は日本の問題ではないやうな気がする〉と三島述べており、そうした問い結局のところ、アメリカを選ぶか、中共ソビエトを選ぶかという、本質的に日本というものの自主性選べない状況の中での問題であり、当時激し安保反対運動安保闘争)がひとまず落ちついた後の未来に、日本にとっての真の問いかけ大きな問題として出てくるとしている。そして、そこで初めて〈われわれは最終的にその問ひかけに直面するんぢやないか〉と語っている。 私に言はせれば安保賛成といふのはアメリカ賛成といふことで、安保反対といふのはソヴィエト中共賛成といふことだと、簡単に言つちまへばさうなるんで、どつちの外国に頼るかといふ問題にすぎないやうな感じがする。そこには「日本とは何か」といふ問ひかけが徹底してないんぢやないか。私はこの安保問題が一応方がついたあとに初めて、日本とは何だ、君は日本を選ぶのか、選ばないのかといふ鋭い問ひかけが出てくると思ふんです。 — 三島由紀夫日本とは何か」 別の場の発言でも、安保賛成アメリカ派で一種の〈西欧派〉であり、安保反対中共ソビエトという共産党系の〈外国派〉であるとし、〈日本人向かって、「おまえアメリカをとるか、ソビエトをとるか中共をとるか」といったら、ほんとう日本人だったら態度保留すると思う〉と述べている。そして、〈国粋派というのは、そのどっちの選択にも最終的に加担していない〉として、〈まだ日本人日本を選ぶんだという本質的な選択をやれないよう状況〉にあり、安保反対派中共ソビエト派)の運動激化していた当時の状況においては西欧派の自民党歴史的な役割として、〈西欧派の理念徹して、そこでもって安保反対勢力刺しちがえてほしい〉という考え福田赳夫伝えたことを1969年時点語っている。 また、日米安保関連する沖縄の米軍基地問題について三島は、日本人心情として日本国内外国アメリカ)の軍隊がいるということ対す反対意識は、イデオロギー抜きにすれば一般国民ナショナリズム愛国心訴えるものがあるため、それを外来勢力共産党左翼天皇制国体破壊目論む者)に利用されやすいという、日本独特の難し状況語っている。 日本民族独立主張しアメリカ軍基地反対し、安保条約反対し、沖縄即時返還せよ、と叫ぶ者は、外国常識では、ナショナリスト右翼であらう。ところが日本では、彼は左翼共産主義者のである十八番ナショナリズムをすつかり左翼に奪はれてしまつた伝統的右翼或る一派は、アメリカ原子力空母エンタープライズ号寄港反対左翼デモ対抗するため、左手アメリカの国旗を、右手日本の国旗を持つて勇んで出かけた。これではまるでオペラの舞台マダム・バタフライの子供である。 — 三島由紀夫「STAGE-LEFT IS RIGHT FROM AUDIENCE

※この「日米安保について」の解説は、「三島由紀夫」の解説の一部です。
「日米安保について」を含む「三島由紀夫」の記事については、「三島由紀夫」の概要を参照ください。

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