日本の言語学での共通語とは? わかりやすく解説

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日本の言語学での共通語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 09:10 UTC 版)

共通語」の記事における「日本の言語学での共通語」の解説

日本では明治初期まで話し言葉容易に通じるものではなかった。1811年文化8年)の式亭三馬の『狂言田舎操』巻之上で江戸から20町も離れる江戸とは違う言葉話されていると記されている。また明治6年から翌年にかけて『文部省雑誌』に掲載され西潟訥の「説諭」には「奥羽の民……上国ノ人ト談話スルニ言語通セサルモノ甚多シ」と記されている。そのため人々他地域人々との間では日常会話では使わない文語話して意思疎通図っていた。 1902年明治31年)、国語調査委員会方言調査して標準語選定する基本方針決まった1930年代半ばには標準語次第定着したが、列島内の言語違い簡単になくなったわけではなく、それが浸透したのはテレビ普及した高度成長期といわれている。 1949年国立国語研究所福島県白河市学術調査行った際、東北方言標準語中間のような日本語を話す話者がいることが確認された。これについて国立国語研究所は、全国共通理解しあえる「全国共通語」であると評価し、「共通語」と呼ぶことにした。ただし、この「共通語」とは標準語否定するものとして登場した語ではない。以後、「共通語」という語は標準語にかわる言葉として学校教育放送の場で広く用いられるようになったその背景としては、明治政府中央集権国家確立のために標準語普及努め方言無視撲滅しようとしたことに対す反発がある。ちなみに、「共通語」という言い方戦時戦中使われた例もあり、戦後登場したものではない。 「共通語化」は、戦後ラジオテレビの普及に伴い急速に進んだラジオ放送開始1925年だが、戦前普及率著しく低く共通語話せる人は一部教養層に限られていた。 最近はこの「共通語」が一般に使われつつある。その理由について、国立国語研究所言語調査主導した柴田武は、「標準語という用語に伴う『統制』という付随的意味がきらわれたためだと思われる」と述べている。柴田は、1980年出版された『国語学大辞典』において、共通語標準語の定義の違いについて、次のように述べている。 共通語現実であり、標準語理想である。共通語は自然の状態であり、標準語人為的につくられるのである。したがって共通語はゆるい規範であり、標準語はきびしい規範である。言いかえれば共通語現実コミュニケーションの手段であるが、標準語はその言語価値高めるためのものである。 — 国語学会編『国語学大辞典東京堂出版1980年9月 なお、共通語は公式・法的に定められてはいない。

※この「日本の言語学での共通語」の解説は、「共通語」の解説の一部です。
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