日本における食用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 02:04 UTC 版)
日本におけるタヌキの料理法にたぬき汁がある。ただし、たぬき汁と称してコンニャク汁を指すこともある。タヌキの脚の肉を「沢渡」といった。 タヌキの肉は概ね臭みが強いという。そのため、酒で煮たりショウガやニンニクを使ったりするなど臭みを消す必要がある。また、臭い消しのためたぬき汁は味噌仕立てにすることが多い。臭い消しのために、山椒、牛蒡、生姜なども利用される。佐藤垢石の随筆『たぬき汁』では、毛皮をとったあとの狸を食材として売り出す可能性を試すため、ある日、食通の知り合いを集め、タヌキを各種の料理にして食べる会を開催したとある。その記録では味噌汁と、香辛料を混ぜて作った狸の肉団子は美味であったが、カツやステーキは噛めないほど固く、吸い物は獣臭くて食べられず、タヌキ肉は一般的な食材になりがたいと結論している。しかし、その後、佐藤の『続たぬき汁』には友人から家に送られた野狸の肉の贈り物に「家内一同大いに喜んだ」とあり、また「上州、会津、雄鹿半島、紀州、丹波、信濃、満州などの狸を食ったこと」があるという記述もある。 また、狸肉の臭み抜きの方法として、山梨の猟師の間で行われている、内臓を取り稲ワラに包んで4 - 5日土に埋めておく方法や、岩手の猟師が皮を剥ぎ骨を外して20日間くらい軒に吊るしておく方法、狸の肉を水で煮て泡立ってきてから本格的に味噌で煮る方法などがある。 なお、麺類における「たぬき」については、たぬき (麺類) の項を参照。
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