新潟県の費用負担問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:38 UTC 版)
北陸新幹線の整備費用のうち、新潟県の負担分について国と新潟県との間で一時対立が生じていた。 2009年(平成21年)2月12日、新潟県の泉田裕彦知事は、国土交通省から資材価格高騰などを理由に220億円の建設費追加負担を求められたことに対して、「突然増額を求められても対応は難しい」として、算出根拠について納得できる説明があるまでは増額分の負担に応じない姿勢を表明した。 同年12月25日、泉田知事は前原誠司国土交通大臣と話し合い、「県と国の信頼関係が再構築された」として2009年度分負担金残額計104億円を支払うと表明した。新潟県は2009年(平成21年)11月6日に国地方係争処理委員会へ計画の認可について審査を要求し、委員会は同年12月25日却下。新潟県は却下に対して規定の30日内の2010年(平成22年)1月27日までに東京高裁に提訴せず、国との協議は続行されることとなった。 しかし、新潟県は協議が進展しないことを理由に2011年度当初予算案に建設負担金を盛り込まなかった。 2010年9月13日、JRが国側へ支払う貸付料には、並行在来線の赤字解消分が含まれるとして新潟県が行った北陸新幹線貸付料に関する情報開示請求に対して一部開示の決定がなされた。これを受けて同県は、同県区間の並行在来線の赤字解消相当額は、30年で780億円を超えるとの試算を発表した。 なお、新潟県および泉田知事の対応には、大阪府の橋下徹知事(当時)は北陸新幹線自体には賛成ではあるが、直轄事業負担金の観点からこの対応に強い支持を表明した一方、新幹線未開業の富山・石川両県を人質にとるような手法であることから石川県の谷本正憲知事からは強い不快感が表明された。 しかし2012年2月17日、新潟県の泉田知事は前田武志国土交通大臣と会談し、新幹線開業に伴う並行在来線の第三セクター運営において、国内有数の豪雪地域である信越及び越中・越後国境(新潟・富山県境)での鉄道運営に関する赤字相当額として県が試算していた「30年間で780億円」という金額を国が追加支援をする事等を条件に、これまで県として支払いを拒否していた地方負担分を支出することに合意した。これにより、北陸新幹線の建設は予定通り2014年度末までの開業計画に遅れることがなくなった。
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