文部省の是正指導
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 04:16 UTC 版)
「広島県での同和解放同盟による教育介入」の記事における「文部省の是正指導」の解説
この状況が1997年に「ゆがんだ福山市教育の実態」としてマスコミに報じられると、国会においても取り上げられ、1998年4月1日の参議院予算委員会に自民党の小山孝雄議員によって福山市内中学校の教諭が参考人として招致され、授業が成立しない、生徒が教員に暴力を振るうといった「荒れる学校」の実態を生々しく証言し、関係者に大きな衝撃を与えた。なお、同教諭もこの証言の前年に日の丸・君が代について賛否両論の授業を行ったため、広島県教職員組合の地区組織や部落解放同盟などから「差別教育を行った」として激しい糾弾を受けている。 参議院予算委員会を受けて、文部省(現文部科学省)は1998年4月27日に広島県に職員を派遣し、福山市教育長などから事情聴取を行った。この結果、道徳の時間が人権学習に置き換わるなど福山市の教育が文部省の指導要領を無視している実態が浮かび上がり、「是正指導」が行われた。これらの「是正指導」は、「公教育の確立のために、教育介入の排除と教育の中立性の確保」が目的として掲げられ、小森が率いる部落解放同盟広島県連合会と教育との関係を断つ目的があった。調査では、1998年の福山市内中学校の入学式で国歌斉唱を行った中学校がゼロであることが判明し、一部の中学校では人権学習の指導案に「日の丸・君が代の歴史を学習し、日の丸は国旗ではなく、君が代は国歌ではないことを知らせる」といった内容まで発見された。他には「福山市同和教育研究協議会」の事務として市の教員が従事している、福山市の中学校の大半で生徒の指導要録が未記入などということも指摘された。調査後の同年6月、元県教育長と福山市教育長(当時)が文書訓告、各教委幹部の19人が厳重注意の処分を受けた。9月までには、指導要録の記入、学校長と教職員団体学校分会との間で交わされ、校長の職務権限を逸脱した内容の確認書の是正、校長の職務権限を越えた職員会議の是正などの是正内容が指示され、その後も、人権教育の内容、「道徳」から「人権」に変更された授業の内容、授業時間の確保などの是正指示が続いた。教職員組合などと交わした同和教育に関する推進、連携の文書も破棄させた。
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