文部省の報告書でも否定的結果がでる
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「読み先習の法則」の記事における「文部省の報告書でも否定的結果がでる」の解説
その後、文部省はあらゆる国定教科書について全国の師範学校付属小学校に対して意見を求めて、その意見報告書を1913年から19年にかけて『国定教科書意見報告彙纂』で公表した。その中でこの問題に触れた意見はすべて否定的だった。たとえば東京師範学校からは「一見適法のごとく見ゆるも、実際においてはこれがためにかえって文字の混乱をきたすこと多きを見る。とくに下学年において然りとす。けだし、一字につきて未だ十分の練習をなす暇(いとま)なきに際し、類似のものの入り来たるがためなるべし」と書いている。兵庫県御影師範学校は「右と左、賣ると買う、雲と雪、持つと待つ、符と荷」の例を挙げて「児童はしばしばこれを混同せり」としている。大分県師範学校は「教授の当初にありては両者を識別記憶せるがごとしといえども、ある時間を経過してのち両者混淆をきたす場合少なからず。たとえば「強・弱」について、そのいずれが「つよく」、いずれが「よわき」かを区別し得ざる児童を出すはこれがためなり」と報告している。
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