文部省教員検定試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 13:37 UTC 版)
文部省教員検定試験(文検)とは、中学校・師範学校の教員の資格を与える検定試験であり、1885年(明治18年)から1948年(昭和23年)までの63年間に亘り施行された。 背景 明治時代になり、学校制度は小学校・中学校・師範学校・大学等が設けられたが、中学校・師範学校の教師の有資格者が乏しく、これを補うために、1884年(明治17年)8月13日、「中学校師範学校教員免許規程」が定められた。その第3条に「学力ノ検定ハ試験ニ依ルモノトス」とあり、明治18年(1885年)3月、第1回学力検定試験が施行された。 文検習字科 中学校・師範学校の習字科教員として教職に就くためには、この文検習字科に合格する必要があった。受験者は主として小学校教員であったが、検定試験の合格率は5%と大変厳しく、有資格者の欠を充たすには程遠かった。したがって有資格者がいない学校も相当数あったことから習字成績の学校差は歴然たるものであった。1935年(昭和10年)前後から「文検習字科」は「文検書道科」に改名された。これは実用主義に造形芸術としての美の追求が加味された結果であり、世論の要求に文部当局が応じたものであった。よって受験者もそれぞれの時代の要求に応じて周到な準備をする必要があった。
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