文学の中の戦列艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:50 UTC 版)
「海洋冒険小説」も参照 アメリカ独立戦争(1775年-1783年)からナポレオン戦争(1799年-1815年)にかけてのイギリス海軍を舞台にした海洋冒険小説は多数存在するが、戦列艦を題材にしたものはフリゲートに比べ少ない。これはフリゲートが多種多様な任務に単独で使われたのに対して、戦列艦は艦隊の一部として行動することが多く冒険性が少ないことが原因として挙げられる。このような見方は18世紀当時から存在しており、特にフリゲートは敵艦船を捕獲して賞金を得る機会に恵まれていると考えられていた。戦列艦を書名に持つ作品としてはセシル・スコット・フォレスターのホーンブロワーシリーズに「燃える戦列艦」(原題:A Ship of the Line)があるが、これはスペイン沿岸での単独行動を描いたもので戦列艦本来の任務とは言い難い。 デンマークの童話作家ハンス・アンデルセン(1805年生)は『風の物語 - ヴァルデマー・ドゥと3人の娘』の物語中のエピソードとして、三層甲板艦の建造のために古くからの原生林が見る影もなく伐採されていったことを語っている。 服部之総は1932年の『黒船前後』で、ナポレオン戦争後に貿易と船舶業が繁栄時代に入ったことでイギリスの樫材(船材)が暴騰したこと、また鉄造船が製造され始めたのは18世紀末であるが、1850年代までは汽船ですらほぼ木造であったこと、鉄造帆船については1854年にメルボルン行きのテイラー(英語版)で死者334人の沈没事故が発生したことで(なお同年はイギリス帝国植民地オーストラリアでユーリカ暴動(英語版)も発生した)、大英帝国海軍が初めて鉄造帆船戦艦ウォーリアを持ったのも1860年になってからであったことなどを述べている。
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