改変されたビデオテープによる突然変異、他媒体化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 17:23 UTC 版)
「山村貞子」の記事における「改変されたビデオテープによる突然変異、他媒体化」の解説
1990年8月29日に最初にビデオを見たB-4号棟の宿泊客4名の若者が悪戯でビデオの一部を上書きしてしまったため、リングウィルスの遺伝情報は不完全になり、ビデオテープの複製による伝染計画は少数の犠牲者を出した時点で頓挫した。しかし、それは単なる不完全化には止まらない突然変異であった。突然変異により、生存の条件は単なる「ビデオのダビング」ではなく、「ビデオを別の媒体へ転換すること」となった。『リング』の主人公である雑誌記者・浅川和行はビデオを見たにも関わらず生存するが、これは浅川和行がダビングを行ったためではなく、彼が事件の全貌を記事にしていたからであった。その後浅川和行は事故死するが、彼の兄の浅川順一郎は、和行の残した記事を『リング』の書名で小説化し、この結果リングウィルスは「読むと感染する書籍」という新しい形で、出版によって世に流布しようとする。 一方、浅川に協力するためにビデオを見た高山竜司は呪いを解くことができずに1990年10月19日に死亡するが、高山の教え子であった高野舞は、1990年11月1日に高山の遺品であるビデオテープを不用意に見てしまったためにリングウィルスに感染する。貞子は舞の胎内で再生し、舞の精神を乗っ取った後、その1週間後の11月8日に現世への復活を果たす。やがて浅川順一郎の出版した「リング」が映画化されることになり、劇団経験のある貞子は、主人公の一般公募に応募し主役の座を射止める。貞子は映画に自分の遺伝子情報を念写した(すなわちリングウィルスを仕込んだ)ため、作品を鑑賞することは初期の呪いのビデオを見るのと同じ効果となった。なお、復活した際に出会った安藤満男には自分のことを舞の姉、高野真砂子(たかの まさこ)と偽り、正体を隠して接触し、彼の行動を監視していた。 以後リングウィルスは、小説だけでなく、これを扱った映画や音楽、ゲーム、あるいはインターネットなど、浅川順一郎の出版した「リング」を扱った様々なメディアや作品へと変異した。これらは見た者すべてにリングウィルスを感染させる。 再生の際に新しいタイプの人類として進化し、自分のみで増殖する能力を得た貞子は、無限に自らのクローンを増殖させ、ついには世界中の人類を「貞子」のみに駆逐することとなった。このことは、第三部「ループ」において、人工世界「ループ」内の生命が全て山村貞子1人だけの遺伝子に収斂する現象として観察された。
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