愛着療法とキャンディスの死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 08:43 UTC 版)
「キャンディス・ニューメーカー」の記事における「愛着療法とキャンディスの死」の解説
「愛着療法」および「反応性愛着障害」も参照 2000年4月にキャンディスと養母はコロラド州エバーグリーン(英語版)へ向かった。ノースカロライナ州に住む診療認可を受けた精神科医からの紹介を受け、愛着療法の集中セッションに出席するためである。セッションの期間は2週間で、費用は7,000ドルだった。 2週目の集中セッションの中の「再誕生」セッションの最中にキャンディスは死亡した。再誕生セッションでは2名のセラピスト、本来の養母であるニューメーカー、そして「治療法上の養父母」が参加していた。 その日の治療の計画に従い、キャンディスは子宮や産道を再現するためにフランネルのシートに包まれ、さらに枕で覆われ、そこから頑張って脱出するように言われた。この治療での経験はキャンディスが養母への「愛着」を持つ助けになると期待されていたと見られる。参加した4人の大人たちは、手や足を使ってキャンディスの頭や胸などを圧迫し、キャンディスが脱出しようとするのを阻止した。キャンディスの体重が約30kgだった一方で、4人の大人たちの体重は合計で305kgであり、キャンディスは自分の体重の10倍もの体重の大人たちに押さえつけられていたことになる。その間に、キャンディスは苦痛を訴え、助けを懇願し、息が出来ないと訴え、叫び声まで上げたが、シートから脱出できなかった。キャンディスはセッション中に死にそうだと11回訴えたが、セラピストは死にたいのならばすぐに死になさいと罵倒した。セッションを開始して20分が経過し、キャンディスはシートの中で嘔吐し、脱糞したが、それでもシートの中に閉じ込められ続けた。 セッションが開始してから40分が経過し、キャンディスに生まれたいのか聞くと、キャンディスは力なく"No." (嫌) と返答した。この言葉が結局キャンディスの最後の言葉となった。この言葉に対し、セラピストは「意気地無し」 (英: quitter) という言葉を繰り返して罵倒した。養母は後に、キャンディスが再誕生しようとしないことで、拒絶されたように感じていたと述べた。その後、キャンディスに養母の悲しみを悟らないようにするという理由で、養母はセラピストから部屋を出るように求められた。それから間もなく、セラピストは治療法上の養父母にも同じ要求をした。こうして、セラピストの2人とキャンディスだけが部屋に残された。2人は5分間話し合った後、シートを解いてキャンディスを解放した。そのとき、キャンディスが微動だにせず、指先や唇に青みがかかり、呼吸が停止していることに気がついた。これを見た直後、セラピストはキャンディスが眠っていると断言した。それに対し、別の部屋でモニターから様子を見ていた養母はその部屋へ駆け込んだ。キャンディスの顔色から状態を察知し、心肺蘇生法を試み始めた。セラピストは9-1-1に通報した。医療補助員たちが10分後に現場へ到着すると、治療上の養父は、再誕生セッション中に5分間キャンディスを一人にしていたところ、呼吸が停止していたと医療補助員たちに説明した。治療補助員たちは、キャンディスは意識を失い、しばらくの間呼吸が停止していたと推測した。治療補助員たちはキャンディスの脈拍を回復させることに成功し、キャンディスはヘリコプターでデンバーの病院へ搬送された。しかし、その翌日、キャンディスは窒息のために脳死したことを宣告された。 キャンディスが死亡した全体で70分間のセッションと、その前に数日間行われた10時間に及ぶセッションは撮影されていた。これは担当したセラピストの治療では恒例のことだった。セラピストの2人の裁判では撮影された映像が上映された。
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