性的・暴力描写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:23 UTC 版)
少年犯罪の増加を裏付ける明確な証拠は見当たらないにもかかわらず、1997年2月に発生した神戸連続児童殺傷事件を契機に、具体的な根拠を明確に提示しないマスコミ(キー局・全国紙)による、集団ヒステリー(モラル・パニック)的社会批判(メディア効果論も参照)が全国に広がり、「漫画やアニメの性・暴力表現が犯罪を助長する」要因とされ、暴力描写規制なども含む包括的な自主規制に発展していった。 過去にアメリカでも、類似した騒動が発生し、コミックス・コードの立ち上げによる厳格な自主規制が行われた例がある。 変遷 1980年代:ゴールデンタイムの作品の一部は、暴力・流血描写にシルエット演出を施すことで残虐な人体破断・爆裂などを表現的に抑えた上で放送した。『キン肉マン』では、ラーメンマンがブロッケンマンをキャメルクラッチで身体を真っ二つにして殺害するシーンが、ラーメンマンがブロッケンマンを麺の生地のように身体を捏ね、ラーメンの手打ち麺にして食べてしまうという、シュールなギャグシーンに差し替えられている。 2000年代:銃撃された人の流血が暴力的な表現として規制対象となる。 性的描写 1980年代:ゴールデンタイムの作品の一部に、女性キャラクターの下着姿や乳首などを露出するお色気(エロ)場面を含むもの が存在していた。 2000年代:簡単に予約録画可能な機器(DVD、BD)が家庭で普及し、児童層がリアルタイムで視聴することが少ない深夜アニメ枠も自主規制の強化が行われ、児童の興味を引きつける萌え・ロリ・エロ(半裸、パンチラなど)の表現を多用したい製作会社は表現規制の厳しいテレビ東京以外の局を模索する傾向に走り、独立局、BS/CS局などに移行するようになった。 2007年以降、女性のセミヌードや下着が映る描写も湯気や閃光などの白ボカシなどで乳首や局部を隠す事例が増えているが、AT-Xでは対象年齢の制限を設けることにより、本来の映像でかつプライム・ノンプライムの時間帯で、曜日も問わずに放送されている(無料放送時 には一切視聴できない)。 作品の設定上から性的刺激が強い場面を多用する場合、テレビ局側の自主規制基準を見越して当初の意図通りの内容を「ディレクターズカット版」などのパッケージ化販売が前提になっている事例もある。 深夜アニメの一部では、女性キャラのスカートが大きく捲れているシーンでも、下着をあえて描かず、臀部やビキニラインを見せることで「下着ではないので規制対象ではない」とする自主規制を逆手にとったお色気シーンも存在する。
※この「性的・暴力描写」の解説は、「テレビアニメ」の解説の一部です。
「性的・暴力描写」を含む「テレビアニメ」の記事については、「テレビアニメ」の概要を参照ください。
- 性的・暴力描写のページへのリンク