劇場用ポルノアニメの終焉
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「ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!」の記事における「劇場用ポルノアニメの終焉」の解説
本作は手塚治虫の虫プロダクションが製作し、日本ヘラルド映画が配給したアニメラマ『千夜一夜物語』のヒットに便乗したとも言われ、1969年には実写映画『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』の併映でレオ・プロダクション(現・スタジオエル)の『㊙劇画 浮世絵千一夜』が、1971年には日本ヘラルド映画の企画・配給で同作が公開された。前者は東映系の全国53館の劇場で上映されたが、映倫の審査を通過していたにも関わらず、警視庁からは猥褻な場面を削除するようにとの警告を受け、後者の本作は1週間で上映が打ち切られるという始末であった。このように2本の便乗作の内容に対する世間の評価は決して芳しいものではなかった。 1973年には過激な性的・暴力描写からアメリカ合衆国で初めてX指定(英語版)を受けた劇場用アダルトアニメ『フリッツ・ザ・キャット』(1972年作品)が日本でも公開されるが、海外では興業1億ドルを超える大ヒットを記録した一方で国内興行成績は全く振るわず、わずか封切1週間で上映が打ち切られた。また同じ1973年に虫プロダクションが公開したアニメロマネスク『哀しみのベラドンナ』も興行的には4000万円もの赤字を出して終わっており、これが結果的に旧虫プロの倒産を招いた。 これら一連のポルノアニメ映画の失敗はアニメ業界や映画業界に大きな禍根を残すことになり、オリジナルビデオアニメ(OVA)が盛んに作られるようになる1980年代半ばまで日本製のアダルトアニメは約11年もの長きにわたり市場から姿を消すことになった。
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