弟子たち、および共鳴者たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/12 04:21 UTC 版)
「プッタタート」の記事における「弟子たち、および共鳴者たち」の解説
彼に直接教えを受けた僧として、タイ人のポー・チャンダサーロ比丘(通称アチャン・ポー。 Ajarn Poh:Ajarnは日本語でいう阿闍梨のこと。高位の僧侶の尊称)、アメリカ人のサンティカーロー(Santikaro)比丘が知られている。 アチャン・ポーは現在スワンモークの僧院長として修行者の指導にあたっている。サンティカーロー比丘は、プッタタートの著作の英語訳に携わり、現在はアメリカで活動を行っている。なお、タイ仏教では女性の出家(比丘尼)を正式に認めていないが、ランチュアン・イントラカムヘン(Ranjuan Intharakamhaeng)は、プッタタートの教えに基づいた著作をいくつかなしている。 また、アメリカにおける上座部仏教の礎を築いたラリー・ローゼンバーグ(Rosenberg, Larry)は、修行の上で、プッタタートのもとでの実践と彼からのアドヴァイスが極めて重要であったことを述べている。また、日本人のヴィプラティッサ(Wipulatissa)比丘(のちに三橋円寒)も、プッタタートの著作の日本語訳などを行っている。 なお、仏法社会主義(仏法共同体原理)に関して、プッタタートは次のように述べ、仏教と社会との関係を結びつけているのだが 我々の抱えている問題(苦しみ)は、単に個人的なものではなく、社会的なものである。そのため、我々は注意を問題の根源(=社会)に向けなければならないのである。 こういった考え方のもとに活動を行う、開発僧(かいほつそう)たちは、1.貧困層の扶助及び自立、2.環境保全、3.協同組合による村おこしといった、多方面での活動がみられる。以下にプッタタートの影響が明らかなケースを示す。 タイ有数の説法師であり、体系だった社会事業を行っている僧侶、プラパヨム・カムラヤノは、スワンモークで7年間修行の後、1987年にノンタブリー近郊の森林に、スワンケアウ(蓮の園)という寺院を開いた。この寺院では現在、 ストリートチルドレンの保護と教育 麻薬中毒者の更生 末期エイズ患者の看取り 被災者・リストラ者の受け入れと法律上の便宜の供与 養老院運営 といった仏法に基づく「社会開発」を行っている。 スラーターニー県モタイ地区のスッターワルト寺の住職、カセアム・タンマーランシは、森林伐採による様々な弊害(モノカルチャー、干ばつ)から森林や人間の暮らしを守るため、NGOと共同で1万ライ(1ライ=1600m2)の公有林を保護林とし、さらに寺院で育てた木を村人と植林するなどの運動を展開している。彼の活動の根底には、スワンモークでの5年間の滞在のなかで、深い感銘を受けた「ブッダは仏法(=自然)の灯明、森は自然の灯明」という、プッタタートの教えがある。 開発僧以外でも、たとえばタイ仏教界を代表する僧侶であるパユットー(P. A. Payutto)にも、プッタタートの思想はゆるやかな形で影響を与えている。僧侶以外では、環境危機を論じるプリチャー・ピエムポンサーン(Preacha Piemphongsan)もプッタタートの影響を強く受け、仏教経済学、緑の哲学について論じている。
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