弟子との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:54 UTC 版)
老師は基本的に穏やかで信頼できる指導者であるが、トレーニングになると非常に厳しくなることがある。彼はトレーニングにおいては無駄な希望を弟子に与えない。弟子は老師によって鍛えられるために、決して老師の教えを疑わず、痛みに耐えることに備えるべきであると、とても明確に示している。 『ベスト・キッド』で、ミヤギはダニエル・ラルーソー(ラルフ・マッチオ)にくる日もくる日も両腕の動きを意識させながらフェンスや壁を塗らせ、床や車を磨かせる。ミヤギがダニエルに模擬試験を課し、意識させていた動きが、無意識に自然な反応として見られたときにやっと、特訓からの休憩を与える。ダニエルは身体が疲れ、痛み、うんざりしていたが、結局、なぜこれらを老師が彼に何日もやらせていたのかに気がつく。というのも、これらの動きが実際に攻撃を防ぎ、老師の経験による敵の攻撃をかわすテクニックであり、ダニエルの気づかぬ合間に身体に染みこんでいたからだ。 多くの映画の中で主人公は、ライバルや悪者によってひどい目にあわされたり、武道を習っている兄弟や友達が、恐ろしく残忍な相手によって一生の傷を負わされたり、殺されたりしたことから復讐を誓い師匠を探す。このような場合、主に、始め師匠は協力的ではなく、主人公の真剣さや責任感を試しているだけで非協力的に見える。しかし何日か経過し、主人公が老師のテストをクリアしたと考えた後には最終的に、トレーニングを行うことを認める。割り当てられたトレーニングは一日目から、主に冷酷で厳しいものであり、老師はたとえ主人公が傷を負い、血まみれになろうと気にかけない。東洋の武道は伝統的な物理療法や治癒療法と深く結びついていて相補的なため、老師は大抵薬を投与したり、武道の技術と共に老師が兼ね備えたとみられる、痛みを鎮める術で手当を施したりする。一方他の映画には、弟子が老師を説得したり、言いくるめたりする必要がないものもある。老師は初めから正しいことをしているように見える。彼と弟子は様々な出来事を通してお互いに理解していく。 『ベスト・キッド2』にはダニエル・ラルーソーが、家族を亡くし涙を流すミヤギの側に寄っていくシーンがある。ミヤギは父親を亡くしたことで心を痛め、一人海に向かって座っていた。ダニエルはミヤギの横に座り、言葉を投げかけ肩を抱きよせ、ミヤギを慰めていた。
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