建設までのリスクマネージメント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/14 01:00 UTC 版)
「旭川市廃棄物最終処分場」の記事における「建設までのリスクマネージメント」の解説
30年間埋め立てが続けられていた中園廃棄物最終処分場(平成15年6月末に埋立を終了)では、処分場起因のカラスやトンビなどにより農作物等に被害を与えたこと及び処分場維持管理の不適切により火災・異臭等の問題があった。そして長期に渡って,自然環境の保全や地域住民の健康及び財産につき不安の念を与えた。そして、芳野地区に計画された旭川市廃棄物最終処分場では、埋立地内の浸出水と地下水を遮断する遮水シートが破損し、河川や地下水汚染を危惧する声が地域住民からあがった。地域住民から指摘された内容は、『なぜ中園、共和、芳野と江丹別地区に処分場を建設するのか?』、『基本計画の考えでは安全性が欠けている!』、『旭川市廃棄物処分場の建設絶対反対!』などである。一部の地域住民は、最終処分場の建設中止を求める公害審査会への調停申請や建設工事禁止仮処分命令の申し立てを地裁に行った。 これに対して、旭川市は平成12年5月に基本設計の見直しを行った。最終処分場建設に際し平成12年4月までは旭川市事務系職員が担当し、平成12年5月以降の基本設計見直し以降は、他の部署から技術系職員3名が職務を引き継いだ。最終処分場建設期間中の遮水構造の監理や供用開始後の埋立管理マニュアル作成などは一般競争入札により外部委託した。実施設計は、旭川市が自ら調査・考案した処分場基本理念(グランドデザイン)を、一般競争入札による民間建設コンサルタントによって図面化させた。実施設計開始から工事着工までの期間が8か月と短期であったため遮水構造は、浜北市(現在の浜松市)から技術支援を受けた。図面の元となったデータは、中園廃棄物最終処分場内で、年間気温差60℃,積雪2m以上,最低気温-32℃の寒冷地で2年間の実規模試験を行い挙動調査を行った。平成15年に建設工事禁止仮処分命令の申し立ては地域住民によって取り下げられ、平成15年3月に最終処分場が竣功した。旭川市廃棄物最終処分場は用地選定から計画・建設までに13年近い年月を要した。
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