建築構造の断熱化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/21 01:28 UTC 版)
現在の住宅・建造物では採光性の面から多くの窓ガラスが取り付けられているが、これらは断熱性と相反する要素である。ここからの熱の流入出を防ぐ目的で、Low-E(Low-Emission)ガラスという熱放射を抑える金属皮膜がついた板ガラスやフィルムを使ったり、複層ガラスという二層の板ガラスの6mmから12mの隙間に乾燥空気やアルゴンガスを充填したり、真空層を作ったり、二重サッシにすることで断熱性を持たせているものも利用されている。ヨーロッパの一部では トリプルガラスという三層の板ガラスに乾燥空気とアルゴンガスを充填してさらにLow-Eガラスを付けたものもある。また、アルミでできたサッシも非常に熱を通しやすいため、樹脂や木製のサッシや、室内側を樹脂や木製にした複合サッシも一般的である。以前[いつ?]は、木製サッシは燃える素材であるというから使用が禁止されていたが、アルミサッシは簡単に熔けるのに対し、木製サッシは内部まで燃えずに原型を留めることから、性能を試験して示せば素材は制限されないということに法改正された。[要出典] 多くの先進国では建造物の断熱化が義務付けられているが、日本では特に規定されていない。日本では施工費が一般的な窓ガラスよりも割高となるためなかなか普及していないが、その一方で冷暖房効率は良くなることから、エネルギーコストを考慮すれば結果的に割安とされる。[要出典]エネルギーコストが急速に増大した時代[いつ?]には、これらは特にエネルギーコスト削減の面で注目された。ヨーロッパでは、複層ガラスのほうがよく使われるために日本で一般的な一枚ガラス(フロート板ガラス)より安いそうである。[要出典] なお古くより日本家屋に見られる縁側(または日当たりの良い廊下)などは、家屋構造によって断熱構造を求めたものである。これら構造による断熱空間を持つ建築物では、夏季などに日の当たっている部分を敢えて(障子や雨戸を使う等して)締め切ることで、その奥の部屋が外気温より涼しくなる効果が発生する。 世界的にも似たような方法で断熱を行っている建築物もあり、いわゆる「屋根裏」と呼ばれるデッドスペースも断熱効果を目指した空間であるが、このデッドスペース有効活用を目指して屋根裏部屋を設けると、同室内は非常な酷暑や暖房効果の低さに見舞われる事があり、屋根裏部屋を活用するタイプの現代日本住宅では、屋根構造に断熱材を組み込むことで、これを改善しようと言う動きも見られる。[要出典]
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