広告媒体として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/08/31 04:56 UTC 版)
戦後の少年雑誌・少女雑誌の発達に伴って通信販売の広告も頻繁にこれら雑誌の紙面を飾ったが、特に少年雑誌では少年層向けの玩具類やサプリメント(コンプレックス産業)といった業者が、その膨大な発行部数にも絡んで、高度経済成長期以降に大きく発展している。ただこれら通信販売ではいかがわしい・効果が不確かな・危険な物品を販売する業者も後を絶たず、1980年代より社会問題化した有害玩具の多くはこの通販業者の出した広告経由で、年齢も定かではない客に向けて販売された。これに関してはしばしば教育関係者にも問題視する向きもあり、保護者の中には漫画を読みふける以上に少年雑誌にそのような広告が載っていることをもって嫌う人も見られる。 その一方でメディアミックスやタイアップ作品は1980年代よりしばしば出るようになったが、1990年代より活発化して様々な商品を売り込むための作品群や広告が紙上を飾る傾向も強い。その一方でアニメ市場の活性化にも伴い、少年雑誌上で人気投票が行われてこの人気投票上位作品が連続的にテレビアニメ作品として放映されるようになり、少年雑誌とテレビメディアやOVA作品、加えて関連する製品を販売する玩具メーカーとの繋がりは密接化している。 2000年代では、このような漫画作品・アニメ作品・玩具メーカーの連携に加え、コンピュータゲームでも漫画作品に端を発するキャラクターゲームの宣伝活動の一種として、少年雑誌上で大掛かりな特集記事を組むことが、当たり前の販売戦略となっている。この辺りにはドラゴンクエストシリーズ(1986年~)に源流を見出すことができる。この作品は、キャラクターデザインを漫画家の鳥山明が担当したことに関連し、鳥山作品を主に掲載していた週刊少年ジャンプ誌上に制作途中から頻繁にタイアップ特集記事が掲載されたこともあり、発売日当日には玩具店やゲームソフト販売店の前に長い列ができるなどして、爆発的なヒットを記録した。 また近年増えているライトノベルやアダルトゲームなどのコミカライズ作品は少年誌で連載されることが多く、それに特化した少年誌も存在する(月刊コミックアライブ、コンプエースなど)。 またグラビア掲載では古くは一定の認知度があるアイドルの写真を販売促進のための付録として扱っていたようだが、1980年代より積極的に新人アイドルも掲載するようになった事から、芸能事務所の商品であるアイドルの社会的認知度増大の活動の一端としてこのグラビアページを活用する傾向も見られ、かつてはアイドル雑誌が担っていた紙媒体でのアイドル宣伝活動をこの少年雑誌に振り分ける傾向も見られる。
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