平年寄へ降格・年寄衆からの批判
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「貴乃花光司」の記事における「平年寄へ降格・年寄衆からの批判」の解説
こういった経緯から、日本相撲協会の役員以外で構成する年寄会が貴乃花に3月場所千秋楽3日後の3月28日の臨時年寄総会への出席を求めた。 総会の場で、貴乃花は幅広い世代の親方衆からこれまでの言動、行動に対する激しい追及、質問、苦情を受けた。貴乃花を支持する親方・貴乃花一門の親方からも「勝手な理由で休むのはダメだ」と声があがった。それに対し、貴乃花はひたすら反省と謝罪の弁を述べただけで、自身の言動・行動に対する質問への具体的な回答はなく、出席した親方衆を失望させた。 総会後の会見には、貴乃花と年寄会会長・副会長・各一門の代表が出席した。貴乃花は日馬富士の傷害事件への自身の対応について「真実を追究したいが故、頑なな態度になってしまい深く反省している」と語っていたが、それ以外は自身の行動、言動に対する見解は明らかにしていない。同会見で貴乃花がかつて所属していた二所ノ関一門の9代高田川は「本来なら(年寄としての)契約解除になる部分が6つ7つある、という声もあった。契約解除までは、という声もあった。その中間もあった」と出席した親方衆の憤懣やるかたない状況を説明している。一方で貴乃花一門の20代千賀ノ浦は「(貴乃花が)協会に多大な迷惑をかけたことは見ての通りです」としながらも、貴乃花の年寄としての契約解除の回避を求める嘆願書を提出したことを明かした。総会では役員以外の全年寄に貴乃花の処分に関する意見を求められたが、契約解除は相撲界や相撲協会に対する損失の大きさを懸念する声が大多数の年寄から上がって見送られ、理事会に一任となった。 同日の理事会では新人事の職務分掌で審判部に配属となり、理事候補選挙落選による慣例で役員待遇から委員に降格となり、翌29日の理事会で3月場所中の無断欠勤と弟子の貴公俊の暴行事件の監督責任から平年寄に降格となった。 28日夕に「news every.」(日本テレビ系)に出演した東京相撲記者クラブ会友の銅谷志朗は、この臨時年寄総会について「勤務の仕方とか、許可を得ずに某テレビ局に出てしまったとか、そういうことが他の親方から見ると非常に腹立たしい。『協会員としてやるべきではない』『自分たちがやったらどうなるんだ』という怒りが沸騰したと思いますよ」と説明し、「一般の年寄は(貴乃花親方の問題を)報道で知るしかなかった。それを協会の中で自ら質問して聞くことで、ある程度収まった親方もいると思います」と推測していた。一階級降格についても「(他の親方からしたら)軽い」と評価している。 元横綱は引退直後から委員待遇となり通常平年寄になることはなく(元大関も同様)、元横綱が平年寄になるのは千代の山、輪島、武蔵丸に次いで4人目で、武蔵丸以外は事件引責によるものである。又、理事経験者が平年寄に降格したのは理事が現行制度になった昭和43年以降では初めてで、これまで理事候補落選慣例で委員になったのを除けば、理事経験者は役員待遇に収まるのが通例で、貴乃花の平年寄降格は極めて異例、降格前の年寄序列では理事長の八角、事業部長の尾車に次いで3番手だったが(理事の序列は理事長以外は基本的に理事就任のキャリア順で、貴乃花は鏡山と並び理事キャリアが最長であった)降格後の序列では83番目で80人に抜かれる異例事態となった。 5月2日の年寄総会では、3月に内閣府に提出した告発状を他の親方衆に公開している。「事実と違うのでは」という指摘を受け、「異なっていれば真摯に受け止めて改善する」と応じたという。総会後、芝田山広報部長は「本人を責めてもしょうがない。内容を我々も知らなかったのでうかがった」と説明している。
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