岐阜県老洞一号窯跡出土品とは? わかりやすく解説

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岐阜県老洞一号窯跡出土品

主名称: 岐阜県老洞一号窯跡出土品
指定番号 485
枝番 00
指定年月日 1993.06.10(平成5.06.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 奈良
年代
検索年代
解説文: 本件は、老洞一号窯跡から出土した美濃国」「美濃」銘をもった陶印須恵器一括資料である。
 窯跡は、岐阜市域の東北端近く長良川支流である津保川木曽川とに挾まれた、東西伸びる各務原山地西端位置し長良川向かって東方から派生した丘陵尾根の北斜面にある。
 昭和五十三年名古屋大学考古学研究室による発掘調査で、斜面地に三基の須恵器窯跡並んで発見された。これらは、窯体ないし灰原層位関係から、三号、一号二号窯の順で操業されたことが判明した美濃国須恵器は、このうち八世紀前半一号窯のみから出土している。
 一号窯は、全長九・三メートル焼成室の下部の幅一・三メートルで、窯内部と灰層から約五万点の遺物出土した美濃国須恵器は、そのなかの一、二五八点である。灰原からの出土という性格上、大多数残欠であるが、美濃国須恵器には、大別して印と箆書きの二種類があり、印はさらにその字体等から二八種に分類できる。このほかに陶印一顆出土している。須恵器上の印影は、A類=凹、B類=凸に分けられ、さらに印文表記に、1類=「美濃」、2類=「美濃国」がある。これに字体変化加味すると、A1類十三種、A2七種B1一種B2七種となり、このうちA1類(凹・「美濃」)が七六四箇全体の六割強を占める。また、書き全部三六箇あり、こちらも「美濃」「美濃国」の区別ができる。
 美濃国須恵器は、当窯跡から尾根越えた斜面ある朝古窯跡群と東方各務原市蘇原飛鳥町との採集品が知られるが、現在一三七基の美濃須恵古窯跡群のなかでも、老洞一号窯と朝倉の二か所のみで集中的に生産されたものと考えられ官窯的な性格窺われる。その美濃国須恵器は、美濃国分寺跡始め奈良県藤原宮跡平城宮跡三重県斎宮さいぐう】跡、長野県恒川【ごんが】遺跡等から出土している。美濃国須恵器は、その生産と供給先が明確にできる好例であり、古代窯業生産における須恵器需要と供給の関係、中央地方官衙と生産地の関係を解明する資料として、学術的価値が高い。


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