山口良忠とは? わかりやすく解説

山口良忠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 13:02 UTC 版)

山口 良忠(やまぐち よしただ、1913年大正2年)11月16日 - 1947年昭和22年)10月11日)とは、日本裁判官佐賀県杵島郡白石町出身。太平洋戦争の終戦後の食糧難の時代に、闇市の闇米を拒否して食糧管理法に沿った配給食糧のみを食べ続け、栄養失調餓死したことで知られる。


  1. ^ a b 山形・238頁
  2. ^ 朝日新聞11月8日付早版
  3. ^ 山形・270頁
  4. ^ 「プリンシプルの男」か「狂人」か 遺族が明かす餓死判事の死の真相」2015.10.24 07:00週刊朝日 2021年5月4日閲覧
  5. ^ a b 「録音 被告こそ氣の毒」『京都新聞』昭和22年11月10日付2面。※読者投稿欄の投書。
  6. ^ 山形・46頁。その人間性に付き、慈父のように穏やかであったともされる。同・227頁。
  7. ^ ルース・ベネディクト著による「菊と刀」では、日本人アメリカ人法律に対する考え方の違いについて書かれている。アメリカ人と違って日本人法律完璧に遵守すべきものと考えていないとして、その例として食糧管理法を遵守して山口が餓死したことを挙げ、それ以外の日本人でこの法を遵守する者がいなかったと述べられている。しかし、アメリカにおける禁酒法等と異なり、法の遵守を云々する以前の極限状態であるばかりか、本文にあるように、事実誤認である。また、法意識論そのものについても、加藤雅信により、日本とアメリカは従来考えられていたように対照的なものではなく、むしろ共に世界の平均的なあり方に過ぎないと主張されている。『新民法大系IV 契約法』557頁(有斐閣、2007年)。
  8. ^ 大審院判事小泉英一は、「こんなのは法律論から言えば緊急避難ですよ。こんなのがたくさんあるんですからね。それを緊急避難でやってもほんとうはやってもいいんですけれどもね、大審院全体としてはそれではとおらないのですな」と証言している。「あの人この人訪問記小泉英一」『法曹』第194号
  9. ^ 1945年10月28日 毎日新聞、同紙には「過日静岡県下で三食外食者が栄養失調で死亡した」とも記されている
  10. ^ 1947年12月9日 北海道新聞
  11. ^ 十一月七日付日本海新聞(鳥取)「社説」は、「世の話題に上らぬこの種の実話はかなり多くあるにちがいない」とする。現に、佐賀新聞は山口判事の地元であるにもかかわらず事件当時一切報道をしておらず、同新聞資料調査室によれば、「占領軍の遠慮があったのか」もしれないとされる。山形・24頁。また、食糧管理法を完璧に遵守したかどうかは別としても、山口同様結核で倒れた裁判所関係者は実に多く、栄養不足に足を引っぱられて死んだ者も決なくなかった。山形・252頁
  12. ^ 山形・201頁
  13. ^ 山形・前掲25頁
  14. ^ 山形・202頁
  15. ^ 三根生久大『記録写真終戦直後』下(光文社
  16. ^ 山形・203頁
  17. ^ 山形・234頁
  18. ^ 山形・27頁
  19. ^ 山形・31、55頁
  20. ^ 山形・252、56頁
  21. ^ 山形・242、246頁
  22. ^ 「食糧統制に死の抗議 われ判事の職にあり ヤミ買い出來ず 日記に殘す悲壯な決意」『朝日新聞』昭和22年11月4日付西部本社朝刊2面より引用。
  23. ^ 山口の代名詞的な文句になる。宮村多樫編『殉法判事山口良忠遺文 33年の生涯と餓死への行進』蜜書房
  24. ^ 「判事がヤミを拒み 榮養失調で死亡 遺した日誌で明るみへ」『朝日新聞』昭和22年11月5日付東京本社朝刊2面より引用。
  25. ^ 分部は、山口の死の一年後、共産党徳田球一書記長の暗殺未遂事件をスクープしている。もっとも、事件発生から送稿までが早すぎたため、事前にテロを知っていたのではないかとGHQに疑われて取調べも受けている。山形・14頁
  26. ^ 山形・13頁
  27. ^ 山形・307頁
  28. ^ 山形・309頁
  29. ^ 朝日新聞 1947年11月6・7日付
  30. ^ 「春秋」『岐阜タイムス』昭和22年11月6日付1面。
  31. ^ ソクラテスの理解については、議論の余地がある。プラトンクリトン』(青空文庫
  32. ^ 島根新聞11月8日付
  33. ^ 「談片三」『世間と人間』(朝日新聞社刊
  34. ^ 中国新聞11月9日付(広島版)
  35. ^ 北海道新聞11月11日付(函館版)
  36. ^ 長崎民友11月11日
  37. ^ 河北新聞11月11日付
  38. ^ 中部新聞11月14日付
  39. ^ 「よろん 首相夫人に抗議」『南日本新聞」昭和22年11月15日付1面。※読者投稿欄の投書。
  40. ^ 徳島民報11月16日付
  41. ^ 山形・54、55頁
  42. ^ 「香典の一部に 匿名夫人の美挙」『防長新聞』昭和22年11月10日付2面。
  43. ^ 山形・55頁
  44. ^ 団藤重光『法学の基礎 第2版』(有斐閣、2007)231頁
  45. ^ 「戦後70年企画 「プリンシプルの男」か「狂人」か 遺族が明かす餓死判事の死の真相」,『週刊朝日』2015年10月30日号 pp.116-118
  46. ^ 山形・88頁
  47. ^ 山形・300頁
  48. ^ 「法曹」第239号、山形・31頁。この時の運動のメンバーと、前述の山口矩子の絵画購入につき動いたメンバーは重複する。五鬼上堅磐石田和外ら。
  49. ^ 昭和23年(れ)第205号、281号被告事件
  50. ^ 山形・56頁
  51. ^ 人生の鱗第三話山口良忠と矩子武田邦彦ホームページ
  52. ^ 山形・215頁
  53. ^ 山形・227、236頁
  54. ^ 出門堂から復刊されたもの(肥前佐賀文庫所収)とは頁数が異なる。本稿では特に明記の無い限り旧版を引用した。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「山口良忠」の関連用語

山口良忠のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



山口良忠のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの山口良忠 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS