小野神社 (多摩市)とは? わかりやすく解説

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小野神社 (多摩市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/31 00:21 UTC 版)

小野神社

拝殿
所在地 東京都多摩市一ノ宮1丁目18-8[1]
位置 北緯35度39分10.81秒 東経139度26分32.18秒 / 北緯35.6530028度 東経139.4422722度 / 35.6530028; 139.4422722
主祭神 天下春命[2]
瀬織津比咩命[2]
伊弉諾尊
素盞嗚尊
大己貴大神
瓊々杵尊
彦火火出見尊
倉稲魂命[2]
社格 式内社(小)論社
武蔵国一宮
郷社
創建 (伝)安寧天皇18年[1]
本殿の様式 三間社流造
別名 一宮大明神
例祭 9月第2日曜日
地図
小野神社
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小野神社(おのじんじゃ)は、東京都多摩市にある神社式内社論社武蔵国一宮を称する。旧社格郷社

概要

延喜式神名帳』に記載されている式内社武蔵国多磨郡 小野神社」の論社の1つ。論社には他に府中市小野神社がある。多摩川氾濫にともない遷座を繰り返した結果2社になったとも、どちらかが本社でもう一方は分祠であるともいわれる。また、当社は武蔵国の一宮とされた。

社殿、鳥居隋神門賽銭箱神輿などには菊花紋章(十六菊の紋章)が取り付けられている。後北条氏太田道灌らの崇敬を受けて栄えた。江戸時代には一宮大明神と称され、江戸幕府より朱印地15石を寄進されている[3][1]

1880年に神奈川県から、1873年明治6年)12月にさかのぼって、郷社に列格することとなった[4]

祭神

主祭神は以下の8柱。

古くは小野氏祖の天押帯日子命を祀っていたという説がある[5]

式内社「小野神社」の歴史

中世には近在に武蔵国府が存在し、武蔵国一宮であった。武州六大明神[注 1]の一つとされ、これらを祀る武蔵国総社大國魂神社(六所宮)には「一宮」として祀られている。

「小野社」の名が初めて見られる史料として宝亀3年(772年)に作成された太政官符があげられ、「多磨郡□野社(多磨郡小野社を指すと思われる)」の記述がある[注 2][6]

日本三代実録』では元慶8年(884年7月15日、従五位上から正五位上に昇格との記載がある。また、10世紀前半に成立した『延喜式神名帳』では小社として式内社に列している。

吾妻鏡』の治承5年(1181年)4月の記事に『是以武藏國多西郡内吉富并一宮蓮光寺等』とあり「蓮光寺」(多摩市連光寺付近)と共に「一宮」(多摩市一ノ宮付近)の名が記述されており、「一宮」と「蓮光寺」を含めた形で「吉富」(京王線百草園駅 - 中河原駅の一帯)と記述している。

このほか、南北朝期の『神道集』には、小野神社が一宮として記載されている。

境内

摂末社

文化財

東京都指定有形文化財(彫刻)

指定名称:木像随身倚像 - 昭和50年2月6日に2躯指定。1974年(昭和49年)に、古い方の随身倚像挿首内に「元応元年十月二十九日、奉公人権津師丞源」の銘が、もう一方の随身倚像像内に「寛永五戊辰年三月二十五日相州鎌倉仏師大弍宗慶法印作之」の銘が見つかる。

鎌倉時代末期の元応元年(1319年)制作の随身倚像は、総高74.5cm。因幡法橋応円の作で権律師丞源により奉納された。その後、1628年(寛永5年)に鎌倉仏師大弐宗慶により彩色などの修復が行われる。その際、もう1躯が新調される。新調された1躯は総高52.3cm。どちらも檜材で制作され、胡粉地に彩色が施され、頭部は挿首、玉眼の寄木造りの木像[7]。(小野神社所蔵、非公開 )

年中行事

  • 元旦祭 : 1月1日
  • 節分祭 : 2月節分
  • 初午祭 : 2月初午
  • 祈念祭 : 2月第2日曜日
  • 末社祭 : 4月第1日曜日
  • 六所宮神幸祭 : 5月5日
  • 例大祭 : 9月第2日曜日
  • 新嘗祭 : 11月第2日曜日
  • 除夜祭 : 12月大晦日[8]

現地情報

所在地
交通アクセス

脚注

注釈

  1. ^ 小野神社、二宮神社(東京都あきる野市二宮)、氷川神社さいたま市大宮区高鼻町1丁目)、秩父神社(埼玉県秩父市番場町)、金鑚神社(埼玉県児玉郡神川町字二ノ宮)、杉山神社横浜市緑区西八朔町)の六社を指すとされる。
  2. ^ 記述内容は天平勝宝7歳(755年)の文章から引用されている。

出典

  1. ^ a b c 東京神社庁.
  2. ^ a b c 江戸名所図会, p. 418.
  3. ^ 慶安元年(1648年)8月17日一宮村一宮大明神領朱印状写(個人蔵)(パルテノン多摩 & 財団法人多摩市文化振興財団 2005, p. 26)[左記文献に写真掲載]
  4. ^ 明治13年(1880年)10月30日社格状(個人蔵)(パルテノン多摩 & 財団法人多摩市文化振興財団 2005, p. 34)[左記文献に写真掲載]
  5. ^ 神名帳考證』。
  6. ^ 天理大学附属天理図書館所蔵(パルテノン多摩 & 財団法人多摩市文化振興財団 2005, p. 6)[左記文献に写真掲載]
  7. ^ 東京都文化財データーベース”. 東京都教育庁地域教育支援部. 2020年1月23日閲覧。
  8. ^ 祭礼”. 武蔵國一之宮 小野神社. 2020年1月23日閲覧。

参考文献

  • 『日本歴史地名大系 東京都の地名』(平凡社) 多摩市小野神社項
  • パルテノン多摩; 財団法人多摩市文化振興財団 編『武蔵国一之宮 多摩市一ノ宮小野神社の変遷』パルテノン多摩・財団法人多摩市文化振興財団、2005年。 NCID BA71524683 
  • 小野神社”. 東京神社庁. 2020年7月14日閲覧。
  • 斎藤長秋 編「巻之三 天璣之部 一宮大明神社」『江戸名所図会』 2巻、有朋堂書店〈有朋堂文庫〉、1927年、418-420頁。NDLJP:1174144/214 

関連文献

関連項目

外部リンク




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