富山事件の捜査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 11:59 UTC 版)
「富山・長野連続女性誘拐殺人事件」の記事における「富山事件の捜査」の解説
同年3月6日、「富山事件」の被害者であるAの遺体が岐阜県古川町内の山中で、釣り人によって発見された。遺体は発見当時、旧道と戸市川の斜面にもたれかかるように、道路の除雪をした雪の壁の外側に倒れていた。これを受け、古川警察署(岐阜県警察)は県警捜査一課・高山警察署の応援を得て捜査を開始し、捜査一課とともに署内に合同捜査本部を設置。捜査の結果、Aが生前、電話で母親に「『北陸企画』にいる」と話していたことや、その「北陸企画」の経営者であるMのフェアレディZが2月23日夕方に富山駅前で目撃されていたことが判明した。しかし、被害者Aの目撃情報や足取り・交友関係などの調査については、Aの地元である富山県側より、死体発見現場がある岐阜県側の方で積極的に行われていた。 同月8日に岐阜県警の捜査本部は、Mと北野夫婦の計3人を任意同行し、富山事件の重要参考人として事情聴取した。M・北野両名の任意同行先はいずれも富山警察署(富山県警察)で、北野は同日から3日間にわたり、富山署で取り調べを受けたが、富山事件・長野事件とも、自身やMの犯行への関与を否定。富山事件の発生時の行動については、「2月23日から25日は、射水郡小杉町(現:射水市)の自宅やその周辺にいただけだ」(富山駅周辺には行っていない)と供述した。また、同日から富山署で事情聴取を受けたMは、同日の取り調べ中に著しい動揺を見せたものの、当日(2月23日)の行動について「記憶にない」、Aとの関係について「知らない」と強く否定。同日夜になって、Mは「23日の昼ごろ、知り合いにフェアレディZを貸した」と供述したが、貸した相手については供述しなかった。 捜査本部は翌日(3月9日)も2人を事情聴取。同日、富山・岐阜両県警は富山事件について合同捜査会議を開き、翌10日に「女子高校生殺害死体遺棄事件」合同捜査本部(本部長:御旅屋信一・富山県警刑事部長)を富山署に設置。11日には事情聴取のほか、「北陸企画」が使用していたフェアレディZとサニーバンを調べてAの指紋・毛髪を探したが、この時は逮捕の決め手になる証拠は得られず、2人を帰宅させた。この後、富山県警の人事異動(19日付)により、合同捜査本部長を務める刑事部長が交代し、捜査一課長も異動したことから、長野県警が把握していた捜査資料を入手できないなど、捜査に不都合が生じたが、合同捜査本部は同月28日ごろまでに、「2月25日夜、MとAらしき人物が死体遺棄現場からさほど遠くない場所で行動を共にしていた」という目撃証言を得た。また、「北陸企画」事務所の玄関ガラス戸から被害者Aの指紋を、フェアレディZの車内からAの毛髪2本をそれぞれ採取した。このため、Mと北野に対する嫌疑を深めた富山県警は、3月29日・30日の両日、両名への事情聴取を再開した。
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